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とある3年4組の卑怯者
1 再会
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きた。
「あれ、あなたは、もしかして別荘で出会った・・・」
「君は、もしかして、リリィ・・・!?」
 藤木は驚いた。まさか、もう会えないと思っていた、友人の花輪和彦の別荘で出会ったあの美少女だった。
「うん、覚えていてくれたのね、嬉しいなあ」
 リリィと言う少女は微笑んだ。
「いや、はは」
 藤木は彼女の両親にも挨拶を交わしあった。
「あなたの名前はええっと・・・」
「僕は藤木っていうんだ。忘れているだろうね」
「フジキ・・・?ああ、貴方が藤木君だったの!?ごめんなさい。あの時貝殻をくれた人が藤木君だったのね。あの手紙を貰った時ギターを弾いてくれていた人だと思っていたの。あれから手紙が来なかったからどうしたんだろうと思っていたんだけど、私が勘違いで衝撃的(ショック)だったんじゃない?」
「いや、いいんだ。僕はただ連れてきてもらったものの一人だから僕なんか覚えているわけないよね、ははは・・・」
 藤木は寂しげな笑みを浮かべた。
「でも、私また藤木君と会えて嬉しいな。ここに住んでいたのね」
「あ、うん」
「私の家族、ここに住むことになったの。またよろしくね!」
「えっ、そうなの!?」
 藤木はリリィが清水に住むことになるとは予想もつかぬ事で非常に驚いた。
「ハイ、私この静岡で働くことになったのでね、今町を見ているところですよ」
 リリィの父が言った。
「そうなんですか」
「リリィに知り合いがいる所に引っ越すなんてリリィも学校が楽しくなるんじゃない?」
「そうね、ママ」
「もしかして入江小学校ですか?」
 藤木はもしかしてと思って聞いた。
「そうよ」
 リリィが答えた。藤木は心を躍らせた。こんなことがあるなんて、二度と会えないと思った人とまさか同じ学校になるなんて、たとえ偶然でも、自分にだって良い事はあるんだ。藤木はそう心の中で思っていた。
「じゃあ、また学校で会えるかもね」
「うん楽しみにしているわ。バイバイ」
「さようなら」
 リリィとその両親に別れを告げた後、藤木はリリィとの思い出を回想しながら家に向かった。

 いつの日かの夏休み。藤木はお金持ちのクラスメイト、花輪和彦の別荘へ連れて行ってもらった。皆で海水浴というときに自分は海パンを忘れてしまった。バカだなあと自分で思いながら海で遊ぶ皆をよそに一人で浜辺で貝殻を拾っていた。
 その時だった。藤木が顔を上げると一人の少女が立っていた。
 それがリリィだった。藤木は彼女の美しさに一目惚れしてしまったのだ。
 その夜、キャンプファイヤーで藤木は花輪家の隣の家のベランダで夜空を眺めていた彼女に再び出会った。
 リリィもキャンプファイヤーへ参加した。だが、「新しい友達」のためにギターを弾いている花輪を見てリリィは自分より花輪とお似合いな感がして
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