ペルソナ3
1771話
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白い光と言えば、大抵は攻撃魔法というよりも補助魔法とか回復魔法を思い浮かべるだろう。
実際、そんな俺の予想は間違っておらず、少なくても目の前の影に今の宝石が放った白い光が何らかのダメージを与えた様子はなかった。
また、宝石そのものも白い光を発したのと同時に消滅している。
……なるほど。改めて魔法を封じるような事は出来ない、完全に使い捨てなのか。
勿論この塔の2階に置かれている宝箱から出てきた宝石だから使い捨てであり、より高度なマジックアイテムならもしかしたら何度も使ったり出来るのかもしれないが。
ともあれ、今使った宝石は攻撃ではなく……それを使われた影も、一瞬戸惑ったように動きを止めたが、すぐに俺を敵と認識してこちらに手を伸ばしてくる。
いや、木の根のような部分なんだし、これは手と認識してもいいのか?
「これならどうだ!?」
その言葉と共に使用したのは、気配遮断と共にこの世界では使い勝手が多そうに思えるスキル、鬼眼。
ネギま世界で入手したスキルで、対象に対してランダムにバッドステータスを付与するといった物だ。
「ギ……」
今回影に効果を発揮したのは、麻痺。
床に転がり、そのまま影は動けなくなっていた。
「鬼眼も効果あり、か。……ゆかり、いいぞ」
数歩下がりながら告げられたその言葉に、ゆかりはすぐに反応する。
数秒後には、射られた矢が次々に影に突き刺さる。
影の頭にあった王冠にも突き刺さり、地面に転げ落ち……やがてそのまま影は消え去っていく。
「やった?」
「ああ」
背後から聞こえてくるゆかりの言葉に頷きを返す。
俺の返事に、ゆかりは安堵した様子でホールの中に入ってくる。
そんなゆかりを眺めつつ、俺は改めてホールを見回す。
こうして見る限りでは、広い部屋ではあるが……ああ、俺達が入ってきたのとは別に、奥の方に別の道が続いているな。
「それにしても、何をしたの? 急にあの、えっと……そう、影だったわね。影が動かなくなったけど」
「俺の持っている特殊能力の1つに、鬼眼というのがある」
「鬼眼?」
「ああ。……そうだな、魔眼ってのは知ってるか?」
「えっと、以前順平が漫画か何かの話で言ってたのを聞いた覚えがあるけど」
「そうか。多分それだな。まぁ、簡単に言えば特殊な能力を持った眼の事だ。ほら、ヴァンパイアに見つめられると魅了されるとか、そういう話は聞いた事がないか?」
「ああ!」
ヴァンパイアの例えは分かりやすかったのか、ゆかりは納得した様子で頷く。
見た目通り、ゲームとか漫画とかアニメとか、そういうのにはあまり興味がないんだろうな。
「鬼眼ってのは、その魔眼の上位互換……と言いたいところだけど、正確には亜種ってところだ
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