ペルソナ3
1771話
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からないでもない。
だが、普通の人間が本気で襲いかかってくる猫と戦った場合、猫の方に軍配が上がるというのは、結構聞く話だ。
勿論その辺りは人によるだろうし、猫にもよるだろうから、絶対にそうだと言い切る事は出来ないだろうが。
その点、俺が生み出した炎獣の猫は違う。
こう見えて、相当の力を持っているのは間違いない。
勿論、一流の戦闘力を持っている相手には負けるだろうが、少なくても俺が戦った影であれば、3種類のどれが相手でも問題なく勝てるだろう。
そう説明しても、ゆかりが俺を見る目にはどこか不審がある。
ゆかりから見て、本当にこの炎獣の猫が影を相手に勝てるとは思えないのだろう。
説明しても、完全に納得する様子はない。
となると、論より証拠、百聞は一見にしかず、だな。
実際に炎獣の戦いを見せた方がいいだろう。
「よし、とにかく先に進むぞ。影が出てきたら、その力を見せてやる」
「え? ちょっと、本当に大丈夫なの?」
「間違いなくな」
そう告げ、俺とゆかり、炎獣の猫は、そのままホールを出ていく。
するとタイミングよくと言うべきか、それとも向こうにとってはタイミングが悪いと言うべきか、スライムもどきの影が姿を現す。
「行け」
向こうが姿を現した瞬間にそう告げ、それを聞いた炎獣はすぐに走り出す。
自分に向かってくる炎獣の猫を敵だと判断したのだろう。影は手を伸ばして攻撃をしようとするが……本物の猫のように俊敏に動きながら、仮面を被っている顔と思しき部分に体当たりし……次の瞬間、スライムもどきは炎に包まれて燃え尽きるのだった。
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