第一章 天下統一編
第二十話 宴会1
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俺が韮山城を単独で攻略を進めることを福島正則と蜂須賀家政は納得し各々の陣所へ帰った。説得できるか内心ひやひやしたが事無きを得た。
韮山城の本丸を囲む兵に目処が立った。
俺が城の大手門を突破に成功すれば、福島正則と蜂須賀家政は城攻めに合流する手筈となった。彼らには俺が要請するまで動かないで欲しいと念を押しておいた。万に一つ俺の軍だけで江川砦を落とすことが困難になった場合、迷わず彼らに合力を頼むつもりだ。面子に拘り家臣達を犬死にさせるわけにはいかない。
俺は家老達と一緒に居る。先程まで俺が福島正則と蜂須賀家政と会談を行った部屋にいる。
視線が痛い。藤林正保と曽根昌世が俺を厳しい目を向けている。
俺は深く溜め息をついた。
福島正則のせいだ。余計なことを口走ってくれた。
福島正則は俺の城攻めを行うことに納得する途端に饒舌に語りだした。その中で彼は俺が織田信雄に「三日で大手門を落とし江川砦を落としてみせる」と啖呵を切った場面を身振り手振りを交えて熱く家老達に語り出した。
曽根昌世と藤林正保は「軽率が過ぎます」と俺にせまり怒り心頭だった。対照的に岩室坊勢祐は腹を抱えて笑い「殿、かぶきましたな。それでこそ我らの御大将にございます」と親指を立て俺を誉めた。
「殿、福島様と蜂須賀様をお見送りいたしました」
重苦しい空気の中、割り込むように部屋の外から柳生宗矩の声が聞こえた。柳生宗矩が来ると曽根昌世と藤林正保は俺を厳しい目を向けることを止めた。とりあえず二人とも怒りを抑えてくれたようだ。この分だと後で二人に説教を受けることは間違いなさそうだ。
仕方ない。今考えれば俺も少々後先を考えない大胆な行動を取ってしまった。
でも、あの場で福島正則を黙らせるにはあれ位の啖呵を切る必要があったと思う。福島正則は俺を縄で縛っても秀吉の元に引き連れて行こうという勢いだった。
「二人とも自分の陣所に戻ったことを確認できたか?」
「確認いたしました」
柳生宗矩は俺に即答した。味方である二人を監視することは気が進まない。だが、念のために監視をつけさせた。
「又右衛門、お前も入ってくれ」
俺は柳生宗矩に部屋に入るように促した。城攻めの行動計画の最終の打ち合わせを今日の内に行っておきたい。明日からは忙しくて打ち合わせをする時間が取れないかもしれない。
俺は柳生宗矩が部屋に入り着座することを確認すると家老三人へ視線を向けた。
「福島様と蜂須賀様は俺が城攻めを行うことを納得してくれた。これより城攻めにおける作戦の意識合わせをしておきたいと思っている」
俺は韮山城の縄張り図を開いて床にしいた。家老達と柳生宗矩は縄張り図を囲むように着座した。
「風魔の者は同席させずともよいのですか?」
柳生宗矩の
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