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トシサダ戦国浪漫奇譚
第一章 天下統一編
第二十話 宴会1
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が上がるまで待った上で砦に兵を進めたべきと思います」

 俺は思案した。俺は可能であれば天ヶ岳砦まで兵を進めたい。
 だが、やはり俺も危惧していたが藤林正保も奇襲時に天ヶ岳砦まで兵を進めることは危険と感じているようだ。夜間行軍で堀切がある場所を通過することは自軍への被害が大きくなりそうな予感がする。
 城を奇襲した時に天ヶ岳砦へ兵を進めることは諦めるしかなさそうだ。
 その作戦行動には与力の兵を加えるかどうか?
 俺はかぶりを振った。
 与力の兵は外すべきだ。
 奇襲に投入する兵は俺の兵だけにする。今回は俺の夜間演習に加わっている兵だけじゃなく、昼間の城攻めに参加している兵も全て使う。

「奇襲で天ヶ岳砦まで兵を進めることは諦める。夜に城を奇襲をし、天ヶ岳砦に朝駆けをしかけることは可能か?」
「朝駆けでございますか。強行軍になりますな」

 曽根昌世は顎に右手をあて考えだした。彼は連戦を行うことに懸念を抱いているようだ。夜間に戦闘を行い、少しの休憩後に戦闘では兵達を酷使することになる。だが、それは敵も同じだ。俺達が城攻めをしている最中、敵が高いびきをかいて寝るなんてできるわけがない。
 俺の兵が強行軍で疲労することを緩和することは無理だ。
 緩和できないなら敵の兵の動揺させ精神的な揺さぶりをかければいいんじゃないか?
 何かないか。
 敵の心を揺さぶり動揺させる手段は無いか?
 俺は頭の中の整理をはじめた。

「可能ですが、兵達が勝利に高揚し足下を掬われる恐れがございます」

 そうだ!
 手はある。敵の兵を更に動揺させる方法が一つあった。

「内匠助、その可能性はある。しかし、北条氏規は天ヶ岳砦を落とされることは落城を意味すると理解しているはずだ。江川砦が落ちれば天ヶ岳砦へ向かう道が開ける。敵は動揺すると考えるべきだろう」

 俺は柳生宗矩の方を見た。

「又右衛門、お前の出番だ。当初、奇襲し大手門を突破すると同時に城の火薬庫を爆破する手筈だったが爆破の時間をずらす。爆破する時は兵が朝駆けをはじめる日の出直前だ」

 俺は口角を上げ悪党の笑みを浮かべた。俺の考えに四人は目を向き驚いていた。これなら天ヶ岳砦に後詰めに向かう敵の兵が減るはずだ。減らなくても敵は間違いなく浮き足立つ。まあ、長い時間動揺させることは無理だろう。だが、俺の兵が天ヶ岳砦へ向かう時間稼きにはなるはずだ。

「私達は江川砦を落とし、天ヶ岳砦に対し朝駆けを行う。又右衛門、私達は火薬庫の爆破とともに天ヶ岳砦へ兵を進めることにする。薄暗い早朝に火薬庫を爆破すれば直ぐに分かる。だから、又右衛門は連絡役を私達に送る必要はない。又右衛門は役目を終えたら城から撤退するんだ」
「ですが、それでは江川砦を攻める時の敵の動きを鈍らせることがで
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