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生ものも
第四章

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「いや、まさかね」
「本当に中国にもお刺身があるなんて」
「生もののお料理がね」
「けれどこれはね」
「日本のお刺身とはかなり違うけれど」
 それでもというのだ。
「奇麗ね」
「中華料理って感じね、如何にも」
「じゃあ今からね」
「これ食べるのね」
「そうしましょう」
 こう話してだ、そのうえで。
 皆でその中華料理の刺身を食べた、すると。
 その刺身を食べてだ、口々に笑顔で言った。
「あっ、これは」
「滅茶苦茶美味しいわ」
「お野菜ともたれとも合ってて」
「お魚の味だけじゃなくて」
「これもね」
「いけてるわ」
「そうでしょ、中華料理にもお刺身があってね」 
 まりかも食べている、食べつつ友人達に笑顔で話した。
「こうしてね」
「美味しいのね」
「そうなのね」
「確かに中華料理は殆ど火を通すけれど」
 これは北京、上海、四川、広東問わずだ。とかく火を通すのは中華料理では基本中の基本だ。
「色々あってね」
「それでなのね」
「お刺身もあるの」
「こうして」
「そうなの、中華料理は色々あるから」
 そのメニュー、もっと言えば食材もだ。中華料理で食べないものは水のものだと船以外は何でもである。
「こうしたのもあるの、それにお刺身は元々」
「中国がはじまり」
「そうだったわね」
「何でも火を通す様になったのは千年位前からで」
 宋代になる、その水滸伝の頃だ。
「それまでは今よりも生もの食べていたらしいわ」
「そうだったの」
「中華料理も時代によって変わってて」
「生ものを食べる時代もあって」
「今も残ってはいるのね」
「そうなの、じゃあ皆でね」
 笑顔で言うまりかだった。
「お刺身食べようね」
「うん、凄く美味しいしね」
「皆で楽しくね」
「食べましょう」
 笑顔で話してだ、そのうえでだった。
 皆でまりかの作った中国の刺身を食べた、それは確かに美味かった。まりかの腕もあったが中国の刺身自体が美味かった。


生ものも   完


                2017・7・28
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