参
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「準備できたわよ、カズヤ」
と、そう言って現れたマルガの姿は・・・何というか、こう。詰まっていた。
160はあるだろう身長に対して、それでもなお不釣り合いな胸部装甲が、俺のシャツを着たことで思いっきり詰まっている。露出度は減った、胸元だって元々同じくらい見えていたはずなのに、シャツでギュッとされた結果この上ない魅力を生みだしている。つい反射的に、ゴクリ、と。生唾を飲み込んでしまった。非常にまずい。身長がそんなに変わらないせいで、大変な爆弾を生みだしてしまったかもしれない。
「あら・・・どうしたの、カズヤ?」
「分かってて姿勢を取るのやめません?」
「あら、バレちゃった。誘惑はお嫌いかしら?」
クスクスと口元に手を当てて笑う。その動作自体は可愛らしい少女のものといっても過言ではないのに、なぜこうも色気があるのだろうか。それくらいじゃないと女スパイにはなれないのかもしれない。いやそうじゃなく。
一つ深呼吸をして、邪念を可能な限り取っ払う。
「それじゃあ行こうか、マルガ。目立つのはもう避けようがないけど、早く服を買って少しでもマシにしないと」
「まあ確かに、これは目立つわよねぇ。時間帯によっては大変なことになりそう」
「俺へ向かう視線も針の筵な予感なので・・・」
召喚時の服の上から着てもらって、本当に正解だったな。うん。じゃなかったら俺の理性が耐えられた可能性はかなり低いぞ。あと、今日が雨だったらマズかった。うん。
だがしかし、これならなんとかなる!マルガが着替えている間に可能な限りの精神を保ち続ける手段を取ったし、魔術回路を介した魔術的手段も取った。今の俺に死角はない!手をつないで出かけることもできるだろうさ!
「さあ、お買い物に行きましょう。現代の街並みがどうなってるのか、楽しみだわ」
「え、あ、ちょ」
訂正。腕を組まれた瞬間、そんなものはほぼ全て吹っ飛びました。童貞のスペックをなめるな。
あと、何かを面白がっている表情をされているので、間違いなくからかわれているのだと思われます。勝ち目がないなぁ。
=☆=
「さあ、これで一通りそろったのよね?」
「その辺りは男の俺じゃなくて女性であるマルガが判断してほしいところなんだけどなぁ」
「私の生きていた時代と今とでは全く違うもの、必要なものもそれに合わせて変わっていくのよ?」
「なるほど・・・」
そう言われたので、ざっくりと考えてみる。
まず、普段着。これについては三セットほど購入した。ジーンズ、ホットパンツ、ミニスカートに対して上もそれぞれ会うものをマルガのセンスで選び、その上から羽織るものなども全てマルガのセンスで選んだ。俺?試着するまでもなくサイズとか自分の容姿とかにあっている物を選び出すマルガの手腕にただ茫然
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