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太陽は、いつか―――

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だ駄目だ。

「じゃあ、どんな生前だったのか、察しがついいちゃったかしら?」
「あー・・・まあ、つかないではない、です」
「じゃあ、それ(・・)が目的?」

あー・・・なるほど。確かに、そう言うとり方もできる。

「全く考えてなかった・・・」
「そう・・・なら、どうして?」

と、近づいてきて、俺の目を覗き込みながらそう尋ねてくる。見た目同い年の、すっごく綺麗な褐色美女。そんな人に真正面から見られて顔が熱くなるのを感じながら、そしてどうしても敵意を感じ取れなくて・・・いつの間にか、口から漏れていた。

「なんとなく・・・面白そうかなぁ、って」
「そう・・・」

何でその言葉が口から洩れたのか、全くわからなかった。分からなかったけど、でもそれでいいと。何も不利になることはないと。それだけは、なぜか確信している。

「うん、なら、いいわよ。なんだかおもしろそうだし」

と、そんな軽い調子で。アサシンは俺としばらく過ごすことを同意してくれた。
何を根拠として良しとしてくれたのかは、俺にはわからない。分からないんだけど・・・まあ、うん。英霊の思考回路なんて一般人に分かるはずもない。魔術とは諦めることである。

「それじゃあ・・・何をして過ごそうかしら?聖杯戦争が終わるまで」
「できるなら、色々と。俺としては英霊と過ごすってのがどんな感じなのか気になるだけだから・・・まあ、やりたいように?」
「そう。なら私、この時代で遊んでみたいわ」
「じゃあ、もう今日は遅いし、明日の昼にでも。・・・って、服、それだけ?」
「まずいかしら?」
「うん、超まずい」

その服装で歩くだけでも警察ものだし、知り合いにでも見られたらその瞬間に俺の社会的立ち位置が死亡する。
確かに、魔術師の家系に生まれた魔術師なんだけれども。家は兄貴が継ぐし、この世界だけで生きていける程の実力持ちというわけでもないんだ。社会的立ち位置、大切。超大切。

「・・・まずは、服を揃えるところから、かな」
「あら、あなたが選んでくれるの?」
「そんなスキルはないので、霊体化してついてきて念話で伝えてください。それ買うから」
「は〜い」

はてさて、どんな同居生活になるのやら。

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