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太陽は、いつか―――

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れないけど、スパイとか、そう言う感じの?」
「ええ、そんなところね。・・・もしかしなくても、知らないの?」
「失礼ながら・・・」
「そう、悲しいわ。・・・まあ、仕方ないのだけれどね」

仕方ない。つまり、自分の知名度とかは自覚している、ということだ。それほどにはっきりしているレベルなのだろうか。
しかし、うむ。戦闘手段は・・・失礼ながら、なさそうだし。

「えっと、もしかしなくても、戦闘能力とかない感じです?」
「ええ、そうね。我ながら戦闘能力としては最低値だと思うもの」

うん、やっぱりそうだった。であれば、次の質問を。

「じゃあ、何が何でも聖杯で叶えたい願いとかは?」
「うーん、そうね。こうして召喚に応じてる以上、当然願いはあるわけなんだけれど」

あ、やっぱりあるよね。うん。そもそも召喚される条件がそれだし、触媒なしだからそう言う英霊くらいしか呼べないはずだし。

「けど、そうね。よっぽど運がよくないと無理だし、そこまでこだわりはないわよ?」

あ、やっぱりいけるかも。

「でも、それがどうかしたの?」
「あ、いえ。そもそも俺、親に強制されて聖杯戦争参加したクチなんですよね」
「あら、大変ね」
「ええ、本当に大変ですよ」

ちょっとシンパシー。

「あ、そうだ。そうかしこまらなくてもいいのよ?何度も言ってるように私、そう大した人間でもないもの」
「・・・じゃあ、遠慮なく」
「ええそう、そんな感じ」

なんだろう、どんどん沼に沈んでいくというか、飲まれていくというか。大丈夫かな、これ。

「じゃあ話を戻すけど・・・少なくとも今、召喚はした」
「ええ、こうして私が召喚されたわね」
「そして、触媒も何もなしに召喚するよう言ってきたのは、俺の親の方だからオレワルクナイ」
「なるほど・・・確かに、悪いのは貴方の両親ね」

クスクスと笑いながらダダ甘やかしてくれる感じ。これか、沈んでいくように錯覚したものは。

「であるのなら・・・どう考えても勝てそうにないし、いっそもう参加しないのもありかなー、って」
「つまり、教会にいってリタイアを?」
「というよりは、これも一つの縁だし聖杯戦争が終わるまで二人で一緒に過ごしません?」

まあ、うん。命がけの戦争に挑む勇気はないわけなんだけど、それでもやっぱり俺も男の子なわけで。であるのなら、英雄と一緒に過ごすというのも、かなり魅力的なわけでして。

「そんな感じなんですけど、いかがでしょうか?」
「ふむふむ・・・なるほど。聞いてもいいかしら?」
「なんでしょう?」
「本当に、私のことは知らないのよね?」
「大変失礼ながら・・・」
「攻めてるわけじゃないのよ。だからそんな縮こまらないの」

甘えた・・・いやいや、ダメ
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