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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
北欧神話
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じゃな。だが、そも『真夏の夜の夢』は北欧神話復興の一環としてシェイクスピアに書かせたもの。故にオベーロン、オベイロンという形で読者を信者に、感想を信仰に見立て、少々裏技を交えて神霊の座を作り、招き入れた。結果副産物としてタイターニアという精霊が生まれたがな」
確かにあの作品北欧神話的エッセンス多めではあるが、それにしたってそれはありなのだろうか。無しな気がする。というか魔王になってやりたい放題してたしどう考えてもアウトだったよねそれ。
そういう意志を込めて見つめると、さすがにバツが悪いのか目を逸らすオーディン。
「今にして思えば、絶対にありえない、やってはならない選択であったよ。しかし、当時は全く、考えもせんかった。済んだこととあきらめたといってもいいだろうな」
「・・・まあ、それはいい。いや全然よくねえけど、むしろ当時よく他の神群に叩き潰されなかったなと思うけど、やすやすとつかえる手段じゃないなら、まあ大丈夫だろ」
そう飲み込み、どうにか納得して、話を自分の中で整理する。
重要なのは、つまり音央のほうもここでなにか、自分の新たな可能性を知ることができるかもしれないということ。
「どうする、音央?」
「そうね・・・オーディンさんがいいんだったら、しばらくお邪魔したいけど」
「別にかまわんぞ、一人が二人になろうが三人になろうが大差ない。恩を前もって売れると考えれば、むしろ得であろう」
「三人も大差ないなら、私もいいか?」
と、ここで。当然といえば当然だが、スレイブも手を上げる。
「当然構わん。が、お前の目的は・・・」
「ヘグニに会う。いるのならヘジン、ダーインもだな」
「・・・紹介はしてやれる。だが、よいのだな?」
「私は構わない」
「だが、剣であるお前の意志で決めることはできないだろう。武器の意向ではなく、全て持ち主の意志で決められるものだ。それを何をしようとしているのか話もせず、」
「いやいや、別にいいけど」
シリアスっぽい空気を出していたオーディンの言葉を何のためらいもなく遮る一輝クオリティ。もうちょっと空気読んでお願いだから!
「いいのだな?」
「いいよ、別に。持ち主変更ってなればさすがにはんたいするけど、そうじゃねえんだろ?」
「当然です」
「だったら、別にいい。コイツが俺の期待外れなことをすることはねえだろ」
己の武器に対する絶対的な信頼。それを見せつけられた以上オーディンとしては何も言えず、三人の神話見学を許可した。
こうして。何か唐突に、一輝一行から三人が減った。しかし前もってもらっている旅費は返さないらしい。さすが一輝君、汚い。
・・・というか、湖札は一体何をしていたのだろう?
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