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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
北欧神話
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と言われた。神話一つに対して襲撃を仕掛けるとか、ヤシロちゃんなにやっちゃってんのさ。

「あー、魔剣を一振り盗んだと思ったら消えたやつか。正直あっても困るものだったからと深追いはしなかったが」
「あ、因みにその魔剣、今後ろで猫耳メイドしてる」
「・・・・・・知らなかったとはいえ、スマン」

正直に頭を下げた戦神トールである。もしかするといい人なのかもしれない。武人ってそう言うところいい人だったりするよね。
スレイブとしてもまああっても困るだけの魔剣であった自覚はあるため、何も気にせず食事を続けている。なお、湖札は会合が終わると同時にいつの間にか仲良くなっていた戦乙女と一緒にどこかに消えている。何をしているのか正直怖いのだけれど、気にしても負けだろう。あの兄にしてこの妹あり。とっても自由なのである。

「しかし、うむ。あの時は正体以上に対応でそんな暇はなかったが、どれ・・・」

と、オーディンは眼帯を少しだけ上にずらす。叡智の代償として失われた目は当然なく、ただ暗い穴があるだけのはずなのに・・・それは、しっかりとヤシロを『みて』いた。

「ノストラダムスの大予言・・・いや、これは後付けじゃろうな。少なくともあの時アンゴルモアはまだ生きておった。であれば別の存在・・・終末を蒐集する、あらゆる終末を集めた存在。そうなれるだけの下地は・・・否、下地を持っていたのではなくそのものとしてあらわれた、人々の終末に対する恐怖、都市伝説の・・・」
「わーわーわーわー!あの時のことは謝りますから、それ以上は無しの方向でー!」

よっぽどまずいことを語られているのだろうヤシロは、もっと慌てだした。とっても珍しいヤシロちゃんである。これは貴重だ、これは貴重だぞ・・・!

「では、これくらいにしておこうかの。あの時の萎縮返しとしては十分じゃろう」

そういって眼帯をもとの位置に戻すオーディン。生きた心地がしなかったヤシロはようやく解放され、席に戻る気力もないのか一輝の膝の上に座った。そっちの方がきつくない?

「それにしても、なるほど。あの時期に『終末』や『滅び』の属性を持つものが様々な神話から浚われておったのはそういうわけか」
「ハイ、そう言うわけです」
「そこのダインスレイブ・・・今はスレイブと名乗っとるのか?」
「まあ、意味もなく便宜上、な。さすがに元の名前は目立つ」
「であろうな。滅ぶことを前提とした魔剣の名じゃ」

やべえ、オーディンさん発言にためらいがねえ。

「スレイブに人の形を与えたのもその一環、というわけか」
「うー・・・あのー、どうしたら、許してくれますかねー?」
「うん?・・・ああ、すまんな。これは本当に他意はなく、純粋な興味からじゃ」
「それでここまで居心地の悪い思いをするとは思ってもみなかった
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