暁 〜小説投稿サイト〜
問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
神話世界に喧嘩売ってみた、あるいは第二回異邦人のお茶会
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日部さん?」
「うーん、私としては十六夜に一週間猫耳コスって言うのも面白いかなぁって思うんだけど」

十六夜がすっごくいやそうな顔をした。恋人であるところの黒ウサギの反応が怖かったのもあるだろう。猫耳ふざけるな派閥としての黒ウサギの反応も、唐突にポンコツ化する黒ウサギの反応も、である。大丈夫なのかあのウサギ。

「それよりも個人的にお願いしたいことが一つ」
「なんだよ・・・大概のことならマシだから引き受けるぞ」
「では遠慮なく・・・これは飛鳥に対しても何だけど」

私も?と。そんな表情をしながら自分を指さす飛鳥に頷くと、その要求を口にする。

「いい加減、名前で呼んでくれてもいいと思う」

そう、頬を膨らませて言う彼女の表情は。残りの二人を心底笑わせるには十分なものであったようで。しばらくの間、その部屋から二人の笑い声が響き渡る。

「あー・・・なるほどなるほど。そういやそうか。考えてみれば春日部のことを名前で呼ぶやつ、そんなにいなかったっけか」
「そうね。同時に箱庭に来た中でも一輝君だけだものね。言われてみればその通りだわ」
「私はみんなのこと名前で呼んでるのにそれって言うのもなんとも複雑な心境だったんだけどなぁ」

未だに頬を膨らまし年相応の表情をする彼女に再び笑いながら、話を進めていく。

「そう考えると、私も十六夜君にまともに名前で呼んでもらったことってないのよね」
「そうそう。そう言うわけで飛鳥もこっちの陣営につかない?」
「そうしましょうか」

久遠飛鳥、あっさりとした裏切りである。まあ当然といえば当然の裏切りだが。

「あー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・耀に飛鳥、これでいいのか?」
「「うわお、半端ない違和感」」
「言わせといてその反応かよ」

でも仕方ないと思う。長いこと同じ呼び方だったのを変えたときの違和感は半端ない。

「はぁ、ったく・・・呼びかた変えるとかやっぱり違和感でけえな」
「あら、黒ウサギに対してはそう言うことはなかったの?」
「付き合ったからって何か変わるわけじゃねえだろ。デートだの何だのってのはあるが、だからって変化はねえよ」
「そう言うものなの?」
「そういうもんだ。そもそもそれまでの付き合いが心地よかったから好きになったのに変えたら意味ねえだろ」

本当に本質を突き詰めれば、人付き合いはそんなものである・・・という作者の主観です。作者の主観なんです。作者の個人的意見なんです。いいですか三回いましたからね?何度だって隙あらば主張していきますからね?

「ふぅん・・・面白みがないわね。何かないの?こっちが面白おかしく弄れるような内容は?」
「ねえよそんなもん。むしろそっちはどうなんだ、自称美少女サマたちは」
「あー・・・」

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