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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
一つの日常 託宣者と陰陽師
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の火取り魔は、生き物ではなく物理現象やった」
初代鬼道はそれを、無理矢理生き物であるという性質を押し付け、力技で封印して見せた。その時点で色々おかしい何やったらそんなことが出来るんだって問題なのだが、目の前の清明も不思議そうにしているので飛鳥はこれ以上聞かないことにした。
「確かにそれだと、私じゃどうしようもないわね。物理現象に疑似神格なんて付与できないもの」
「そう言うことやな。ちなみに箱庭には火取り魔っちゅう生き物としての妖怪もいるわけやけど・・・そっちはあくまでも、火や光をエネルギーとして取り込めるだけの三流妖怪や。
覇者の光輪
(
あんなもの
)
取り込もうとした瞬間に容量オーバーやな」
「・・・まって、箱庭にいる火取り魔とあなたの世界の火取り魔は別のものなの?」
「別のものやで?」
ふと感じた違和感。例えば同じ織田信長という人間が箱庭に召喚されたとしても、性格が全く違う人間であることもあるだろうし、性別が違うなんてこともあるかもしれない。心底あってほしくないが、吸血鬼であるなんてこともあるだろう。・・・あるかな?
まあそれは置いといて、そう考えれば別に、火取り魔の定義が全く異なる世界があったとしてもおかしくはない。だからそれはいい。それはいいのだが・・・考えてみれば、もう少し前にもっとおかしなことを言っていたような気がする。
いや、おかしくない・・・やっぱりおかしい。そしてそう考えると、そもそも湖札の保有するギフトだって矛盾する点が存在するはず。なんでそんな矛盾が、というかこれはどう考えてもおかしすぎる矛盾で・・・
「おーい、久遠飛鳥さーん?」
「あ・・・」
「どないしたん?」
「いえ・・・なんでも、ないわ」
清明に声をかけられ、思考の海から帰還する。明らかな矛盾、あってはならないはずの欠陥。それに気付くことこそできたが、しかしそれまでだ。未知すぎて。分からなさ過ぎて。真実が全く見えなくて。・・・だからこそ、それについてこれ以上考えることが、怖い。
思考を放棄する。考えることをやめる。恐怖から目を逸らすその行為が正しいのか間違っているのか。それすら考えることが怖くて、今はその時じゃないと自らをごまかす。
「今日はどうもありがとう。式神の都合と使い方のレクチャー、助かったわ」
「ああ、うん。別に彼とはそれなりの付き合いやし別にええんやけど・・・ホンマに大丈夫なんか?誰かに送らせよか?」
「大丈夫よ。ちょっとなれないことをして疲れただけだから」
「・・・そう言うんやったら、ええけど・・・」
なおも心配そうに見る清明をよそに、飛鳥はすっと立ち上がりその場を後にする。確かに、これ以上考えることは怖い。つい反射的に思考を放棄したのは彼女自身だ。しかしそれでも・・・鬼道一輝という人間について知るためには
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