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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
一つの日常 託宣者と陰陽師
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した式神の束をギフトカードにしまう飛鳥。正式に商談となったために次はコミュニティの方から和菓子とお茶を引っ張り出してきた二人は、何のためらいもなくそれらを口にしていく。財政管理担当の人が涙目になりそうな光景である。
「それにしても、それだけやれるんやったら妖怪ベースの式神の方が圧倒的に強いと思うんやけどなぁ」
「強かったとしても、使い捨てるには心が痛むのよ。・・・こんなことを言ったらアルマ辺りに怒られそうだけど」
「それで連れてこなかったんやな?」
「お小言ばっかりでめんどくさいのよ」
アルマテイアの扱いが雑である。ドンマイ、アルマ。
「まあでも、確かにそれ考えたわ。全ての分野で強い妖怪はいないでしょうけど、火取り魔のような分野特化を揃えられれば、って」
「あー、火取り魔なぁ・・・」
飛鳥の言ったことは何一つ間違っていない。
アジ=ダカーハとの決戦の際、
覇者の光輪
(
タワルナフ
)
を神格を与えられただけで喰らいつくした火取り魔。言葉を媒介とする疑似神格故に出力は下がるだろうが、それでも十二分の働きが期待できるというものだ。
そして、妖怪伝承の中にはそういった○○のみ特化、という存在は多く存在する。その全てがあれだけのことをできるのであれば、と考えるのは自然なことであった。が、しかし。
「んー・・・それは無理やろうなぁ・・・」
「あら、私の疑似神格では出力が足りない?」
「や、そういうことちゃうんや。実際、彼の従えてる火取り魔やったらできるやろうしな」
どこかはっきりしない口調に対して、飛鳥がちょっとイライラし始めている。こういった回りくどい口調は問題児に対してはNGである、ということを察し、再び口を開く。
「んーと、まず彼の檻の中にいる火取り魔の説明なんやけどな」
「あら、伝承とは異なるものなのかしら?」
「いや、伝承のまんまや。ただちょいと本質が異なっとる」
曰く、火取り魔とは局所的な物理現象のようなものである、とのことらしい。
上に投げたものがいずれ重力にひかれて落ちてくるような、それと何も変わらない物理現象。特殊な恩恵で持ってそれを自由に操る術は存在するが、基本的にはいかなるものであっても・・・アジ=ダカーハであっても縛られるそれ。
故にこそ、覇者の光輪もまたそれに縛られた。確かに勢いの強い炎なのだろう。世界を焼き尽くす炎なのだろう。しかしそれでも、焼くだけの存在。伝承を『炎』というひな型に抑え込んだために、炎としてあらわれているそれに対して、火取り魔が引き起こす物理現象は致命的であった。
「いかなる炎、光の類であってもその場では消えてしまう・・・?」
「そや。たぶん、元々は灯りがあっても夜道は危険である、っていう教訓の意味合いから作り出された伝承なんやろうけどな。僕らの世界
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