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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
一つの日常 託宣者と陰陽師
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いほど短い付き合いではない。となれば・・・

《彼と戦う時、ってのも考えてるんやな》

寸分たがわず、陰陽の神は事実を看破した。その上で、断る理由もないと判断する。

「ええで。作成費諸々必要な費用は請求させてもらうことになるんやけど、それでよければ」
「もちろん、そこはちゃんとお支払いしますので、どうぞよろしくお願いします」

しかし、彼としては彼女のこの口調に違和感しかない。いや、雰囲気としては合っているしそれなりに自然に出るような環境にいたことは知っている。だがしかし、それとこれとは別なのだ。問題児として知られている彼女がこのような口調。頼みに来た立場だからとそうしているのだろうが・・・そろそろこらえるのも限界であった。

「とりあえず、いい加減その口調やめへん?どうこうって言うよりも、違和感で背中がかゆいねん」
「あらそう、では遠慮なく」

真紅のドレスを纏った少女は、何のためらいもなく口調を崩してきた。そんな様子にちょっとホッとしつつ、清明はまず何をすべきなのかリストアップしていく。

「さて、と・・・式神を扱う素質はあるみたいやし、使い方の指導から始めよか」
「ええ、どうぞよろしく」

そう言うと二人は立ち上がり、清明の所有するゲーム盤へと移動した。



 ========



「普通に使えて正直ヒいたわ」
「失礼ね・・・」

数時間後。
清明としては呪力が全くない人間なので一切使えずそのまま終わり、もしくは何かしらの代用手段を考える方針で進める予定だったのだが、なんでかしれっとつかえてしまった。

「それにしても、なんでなんやろな・・・」
「さあ?もともと私は私のギフトのことを『他者に命令する』ものだと思っていたし、その関係じゃないかしら?」

飛鳥のその発言に対し、清明はふむと考えを進めてみる。
ギフト“威光”。その本質は『疑似神格の付与』にあり、与える側の力である。そして当然のことながら、神格を与える側と与えられる側の関係は主人と従者のそれ。

「だとすれば・・・確かに、式神を動かせるだけの理由にはなるんやなぁ」
「何か納得できるだけの理由があったのかしら?」
「正解不正解は分からへんけど、何となくこうなんかなぁ、程度なら」
「そう。まあ興味はないのだけど」

どうやら本質的な部分には全く興味がないらしい。彼女なりに、自分の恩恵がそれなりに複雑なものだと理解しているが故だろう。

「それで、どうなのかしら?式神使いとしてやっていけるだけのモノにはなりそう?」
「んー・・・本職にはその分野では勝てないにせよ、色々織り交ぜながらならなんとでもなるんちゃうかな?」
「なら、これはもらっていくことにします」
「まいど〜」

ひとまずと清明が準備
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