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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
一つの日常 キメラと三頭龍 @
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「ふぅ・・・暇だなぁ」
その日、春日部耀はぶっちゃけ暇であった。
念のために言っておくと、別に彼女がサボっているとか逆に張り切り過ぎて休めと怒られてしまったとかではない。問題児たちは、箱庭という異世界を全力で楽しむ、住み家の食い扶持くらいは稼ぐ、働かざる者食うべからず、といった考えは共通している。それ以上に面白そうだと考えてしまったことがあればその仕事は放棄したりするものの、その時はその時でその新たな面白そうなことに全力を出すのだ。よって、今の耀のようにはっきり心の底から『暇』の文字がわき出てくることは普段であれば稀である。
しかし、今はその『普段』ではない。もう絶対悪の爪痕もなくなっているし、しっかりガッツリ復興も終了したとはいえ、それは下層としてのものでありノーネームとしてのものではない。しかもなぜかリーダーとそのお付きが一緒に消えるというどうしたものかの事態まで発生しているのだ。いくらなんでも、これまで通りというわけにはいかない。
と、いうわけで。問題児四人+黒ウサギ&レティシアの多数決によって暫定リーダーとして一輝が指定され、結構な報酬も入ったこともあり別段急いでやらなければならないこともない。だったらもう休息の期間にしてしまえばいいんじゃね?といわれわざわざ仕事としてやることがなくなり、その時間が開いてしまったのだ。唐突に時間が出来れば、空暇にもなる。
と、長々と語ったが要するにそう言うわけである。これだけ言っておけばノーネームの現状説明全部すんじゃって楽でいいよね。
と、暇な耀。問題児と暇の相性は最悪であり何が起こるか分からない爆弾でしかない。もういっそのこと街に出て大食いでも荒してやろうかと考えだしていたところで・・・ふと、一人の人物が視界に入った。
「ん、あれは・・・?」
普段執事服であるために一瞬誰なのか分からなかったが、彼女の視覚情報はその人物名を弾きだしていた。
褐色肌に黒のオールバック、斜め後ろから故に一瞬だけ見えた目は鋭いツリ目。そんな特徴を備えた人物はこのノーネームに一人しかいない。しかし、やはり服装が違う。というか執事服意外には見たことがないために、はっきりと自信をもって彼であると断言できないのだ。
だからこそ、彼女のなかで興味が勝った。
迷わず靴から羽をはやして屋根を跳び下り、その人物の隣に降り立つ。すぐ隣から見てやはり間違っていなかったと確信した。
「ヤッホー、アジ=ダカーハ」
「ム、確か・・・キメラの」
ムッ、と。さすがにその呼び方はないだろうと思い、迷わず反論する。
「せめて人間扱いを付けたしてほしかった」
「ではキメラ人間か?」
「・・・それはそれで何か嫌だな、うん」
しかし残念、まだ彼は全員の名前をはっきりとは覚えていなかったのである。なんだかん
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