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101番目の百物語 畏集いし百鬼夜行
第十八話
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いけど、事実なんだよなぁ……」

 心配は残るんだが、しかし何の事情も知らない姫子に対して断るいい手段が存在しないのもまた事実だ。だから、まあ。

「ならまあ、そういう方向で行くか……この後すぐに行くことになるんだが、大丈夫か?」
「ダイジョブダイジョブ。問題ないなーい!」

 そういってベッドにあおむけに倒れ、足をパタパタしだす姫子。スカートじゃなく細めのジーンズだからそこまで問題はない。それにしてもこいつ、いい脚してるなー。

「姫子さん、カミナがあなたのことをエロい目で見てるわよ?」
「え、マジ?カミナ、まだウチに対してそういう目線向けれたの?」
「どっちかというと、いい脚してるなーっていうかなり冷静な判断だったなぁ」
「だよね。カミナだし」

 そういってこちらに向けて笑みを向けてくる姫子。まあうん、ほんとになぁ。俺が言える立場じゃないのかもだけど、お互いの性別ってものを考えるべきなように思える。
 ……うん、いまさら無理か。

「それと、ウチのことは姫子って呼び捨てでいいよ?こっちもテンにティアって呼ぶし」
「あ、助かるわ。正直さん付けって慣れないのよねー」
「私は、これが癖なので……」
「やっぱり?ティアはそんな感じがしてた」

 なんともまあ、うん。共通の知り合いがいる分なのかなんなのか、一気に仲良くなっている。いいことだ。

「さて、そろそろ本題に入る?ウチとしてはこのままだべってるのもありなんだけど」
「それはそれで楽しそうだけど、本題に入ってもらえる?一通り目は通したけど、知ってる人の話も聞きたいし」
「りょーかーい」

 と、姫子はベッドから身を起こしてそのまま胡坐をかき、人差し指を立てて説明を始める。

「いろんな呼び方をされてはいるけど、一番有名なのは『童村(わらしむら)』って呼び方かな」

◆2010‐06‐01T17:20:00  “Yatugiri Mountain”

姫子に説明してもらい、そのままテンの呼んだタクシーで村につながるという山に来た。そこまではなれた場所ってわけではないんだけど、来るのは初めてだなぁ……。そして、

「おっほー、このタクシーマジヤバ。何々、こんなのあんの?」
「まあ、一部の人しか使えないタクシー」

 と、姫子がタクシー内で騒いでいたのは若干印象的だった。まあうん、その気持ちは分かる。あれはすごいよな、うん。

「それで、童村にたどり着くにはどうすればいいんだっけ?」
「ああ、とりあえず山道に入っていく感じ。で、後はひたすら歩いて歩いて、それっぽい立て看があったらそっちに入ってけばオケ」
「つまり、まずは歩き回ってみる必要があるわけなんだな……」

 若干気が遠くなってきた。これはもう、俺の持つ主人公的
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