暁 〜小説投稿サイト〜
銀河HP伝説
趣味レート事件 後編
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に向けられていた。
「ぼくのおとうさんはていこくぐんじんで、ていとくというおしごとをしています。」
ワーレンの息子エルマーは多少たどたどしかったが、大きな声で自分の書いた作文を起立して読み上げていた。それを見守るワーレンの顔や腕には今だ癒えぬ火傷などが包帯で表現されており、それを取り巻く諸提督たちも顔にあざをつけ、包帯を巻いて添え木をしている等、まるで戦場からそのままカムバックしてきたかのような状況である。
「じゆうわくせいどうめいというはんらんぐんをやっつけるのがおしごとです。とてもいそがしくていつもうちゅうをとびまわっています。そんなおとうさんのしゅみですが、ぼくとキャッチボールをしてくれることです。あるひぼくは『どうしておとうさんはしゅみをもたないの?』とききました。おとうさんは『お前の成長が見れることのほうがずっと大事なんだよ。』といいました。ぼくはそれがよくわかりませんでした。でも、いまならわかります。おとうさんはぼくとあそんでくれることがとてもだいすきなんだな、とおもいました。ぼくはそんなおとうさんがだいすきです。おわり!」
終わり!という言葉に父兄は笑ったが、当のワーレンは眼に涙すら浮かべて一生懸命に手を叩いていた。
「卿はよい御子息をもったな。」
ケンプがしみじみと言った。
「俺も息子共にああいうことを言われてみたいものだ。いったいどうすればああいう御子息になるのだろうか?」
「それはだな・・・・。」
ワーレンはここぞとばかりに大きくうなずいて、
「河原でキャッチボールをすることさ。」
と、言ったのであった。

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