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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第九十四話 ラインハルトを守ります!!(後編)
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将兵らと杯を交わすことが卿の償いとでもいうのか!?」
『・・・・・・・・。』
「だとすれば卿を死なすわけにはいかぬ。生きて償いをしてもらわねばならぬ。私に対してではない。卿の麾下として戦った将兵の遺族に対してだ。」
バイエルン候エーバルトは黙然としていたが、やがて怒りにも似た吐息を吐き出した。
『武人として死なせてはくれないのか。卿も残酷な人間だ、ローエングラム。だが――。』
ラインハルトが何か言う前にバイエルン候エーバルトは言葉を続けて、
『確かに卿のいう事は正しい。いや、正しいかどうかはわからないが、私の胸にしみついて離れない。そうだ、私は将兵のみならずその家族に対しても責任を負うているのだったな。』
バイエルン候エーバルトは姿勢を正していた。
『ローエングラム、いや、ローエングラム伯ラインハルト殿。卿の降伏勧告を受諾する。だが、残る将兵の命はどうか助けていただきたい。これ以上戦闘を継続しても無益だろう。この身はどうなろうと構わない。頼む。』
ラインハルトはうなずいた。
「卿の降伏を受諾する。ただちに武装を解除し、以後我が艦隊の指示に従って動くように。先に負傷者などの手当てや整理があろう。それが済み次第、後ほど直接対面をしたい。」
『感謝する。』
バイエルン候エーバルトは短く言い、そして頭を下げたのち通信を切った。
「ラインハルト、立派だったわ・・・・・。」
イルーナがかすれた声で言った。
「イルーナ姉上、フロイレイン・ジェニファーの事、姉上がどうお思いになっているかは私もよく知っています、いえ、知っているつもりなのです。ですが、私は前に進まなくてはならない。たとえあなたの気持ちに応えることができなかったとしても――。」
「わかっているわ。だからこそ私はあなたをずっと見ているつもりよ。」
休息を、というラインハルトの声はイルーナの無言のかぶりによって途切れた。
「今は動いている方がいいのよ。いずれ落ち着いたら少し整理する時間をくれるかしら?大丈夫、あなたを一人にはしないわ。」
少し表情が硬かったが、その姿はまだラインハルトの知っている「イルーナ姉上」のものだった。
「それよりもラインハルト、事態は一刻を争うわ。」
「わかっています。シュターデン、エルラッハ、フォーゲル、そしてブリュッヘル。敗残の彼らが帝都に帰着するのであれば、その前に何としてもこれを捕捉撃滅する必要がある。」
ラインハルトはルッツを呼び出し、敵艦隊の処理を一任する旨指示を下した後、艦橋司令席から一歩前に出た。
「全速前進!!艦列を整え帝都を強襲する!!残敵が帝都に帰還する前にこれを捕捉するのだ!!」
ラインハルト艦隊は一路オーディンを目指して全速前進で航行を始めたのだった。

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