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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第九十四話 ラインハルトを守ります!!(後編)
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砲撃を浴びせ続けていた。ヴィルヘルミナ一艦とその周囲の護衛に対してえりすぐった500隻以上の艦が攻撃を仕掛けたのである。
さらに1万余隻の本隊自体も高速で動き続けている。それぞれが一流の操艦をもってアレーナの指令を忠実に実行しバイエルン候エーバルトの本隊を縦横無尽に暴れまわり、突き抜けた。小部隊をもって大部隊を蹂躙するというまさに理想形を完璧な形で行ったのである。
「駄目です!!敵の勢いが尋常ではない!!」
「前衛、中央本体前衛突破されました!!」
「右翼、左翼、回り込んで敵を包め!!」
「速度が速すぎる、対応できない!!」
「クソッ!!たかが私設艦隊だぞ!!私設艦隊になぜ正規艦隊が苦戦しなくてはならないのだ!!」
周りで飛び交う罵声同然の喧騒にバイエルン候エーバルトはじっと身じろぎ一つしなかった。ここまでわずか数分の事である。その数分間の間にここまで浸食されてしまうなどと誰が予測できただろう。
「総司令官!!」
悲鳴のような声が艦橋に響いた。
「フォーゲル、エルラッハ、シュターデン艦隊の背後より艦影多数!!急速接近中!!」
「どこの所属だ?」
バイエルン候エーバルトが動揺を微動だに現さずに尋ねる。
「・・・わが軍の友軍ではありません!!敵です!!」
敵側の狼狽は味方にとって歓声の材料でしかなかった。ジークフリード・キルヒアイス少将とルッツ艦隊のその勢2万余隻が急速接近し、猛烈な攻撃を仕掛けてきたのである。ルッツ艦隊は帝都オーディンのあるヴァルハラ星域に最も近い宙域に進駐して私設要塞群を制圧するとともに貴族連合軍の動向をさぐり、かつ援軍到着を阻止すべく展開していたが「本隊危うし!!」の報告を聞いて急ぎに急いで急行してきたのだった。
その2万余隻の艦隊が猛速度と猛火力をもってエルラッハ、フォーゲル、シュターデン艦隊を蹴散らしにかかっている。特にキルヒアイス艦隊の勢いはすさまじく、彼の進路上に展開していたエルラッハ艦隊はほとんど壊滅状態に陥った。背後を取られたうえ、ローエングラム陣営配下のそれも無傷無疲労の精鋭艦隊の強襲を受けたのだからたまらない。
これまで圧倒的な包囲体形でラインハルトを攻めたてていた敵は、一転して包囲下に置かれ、圧倒的な勢いで攻めたてられる側に転じたのである。
バイエルン候エーバルトは眼を開けた。参謀長以下が自分を取り囲んでいる。皆すがるような眼をしている。
「ブリュッヘル艦隊が敵の勢いにおされ、戦線を離脱していきます!さらに新手の敵、フォーゲル、シュターデン、エルラッハ艦隊に侵食!!被害甚大!!」
「いや、もうすでに退却も同然だ!!」
「我々は孤軍になります!!」
「総司令官!!」
皆の背後のディスプレイに接近してくる艦隊の姿がある。それは同じ色をしていても友軍ではなくすべて敵艦隊だった。
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