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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第九十四話 ラインハルトを守ります!!(後編)
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他方――。

私設艦隊、これをアレーナ艦隊と呼称するが、1万7000余隻の艦隊はバイエルン候エーバルトの本隊中央部を直撃した。私設艦隊と言ってもランディール侯爵家の艦隊は訓練に訓練を重ね、正規艦隊とそん色ない色合いに仕上がった精鋭である。それにランディール侯爵家の使用人には退役軍人が多い。分艦隊司令として叩き上げの前線指揮官たちが彼女の艦隊の各戦隊を引き受けているのだ。
「みんないい?」
アレーナは艦橋にたち、幕僚や副官たちを見まわしながら声をかけた。ついでながらアレーナ艦隊の旗艦は次世代艦であるニヴルヘイム級の三番艦アールヴァルである。ニヴルヘイム級は艦隊旗艦として電子戦略システムを搭載し、軽量且つ強力な装甲の上にコーティングを施し、全体的に軽量化が進み、機動力が格段に増している。さらにその余剰分を用いて強力な主砲群を前面に集中配備しており、たとえ戦艦で有ろうとも一撃で粉砕できる威力を秘めている。
「この戦いはローエングラム陣営とクソ貴族の戦いじゃないわ。その先にある未来をつかみ取るための戦いだってことを認識してよね。あ〜もう一つ言っておくと、帰ったら全員に一時金、支給する手はずついているから!」
「一時金っていったって、これだけの人数だ、どうせ大した金額じゃないんでしょう!」
「せめてたんまりの酒ってものがないと!」
にぎやかな声が返ってくる。
「馬鹿野郎が!!お嬢様の折角の志、受けてやらねえか!!」
「ちげえねえ、ナァに、酒と食い物はたっぷりよ!!野郎ども!気張れ気張れ!!」
と、まるで正規軍というよりも海賊の集団のようであるが、これもランディール家の家風に染まった人間の証だった。
「・・・・・・・・。」
そんな血戦前とは思えないほどのにぎやかさを聞きながらアレーナは視線を自分の心に向けていた。
(ジェニファー・・・・。)
ここまで順調すぎるくらい順調だった。全員が全員生きてローエングラム朝建国、さらに宇宙統一まで見届けられると思っていた。何しろ前世からそのまま知識と力をもってやってきた転生者なのだから。

それなのに――。

もっとも嘱目された一人である彼女が死んだ。
「許さない・・・・。」
それは敵方に対してだけではなく、自分たちの慢心に対してのものだった。
「艦隊指揮の真髄、見せてあげるわ!!」
アレーナ・フォン・ランディール指揮下の1万7000の部隊は私設艦隊と思えない速度と機動性をもってバイエルン候エーバルトの本隊を直撃した。左右に展開して包み込もうとするバイエルン候エーバルトの艦隊のそのまた外周から高速機動部隊がこれに的確かつ強烈な打撃を与え続ける。それに対応しようとすればさらにまたその外周から滅多打ちの波状攻撃が来た。また、アレーナはいち早くヴィルヘルミナの位置を特定してその周辺に対して猛烈な
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