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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第九十四話 ラインハルトを守ります!!(後編)
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つぶやいた。彼にできることはまず目の前の艦隊を撃破することだけだった。彼の眼前の艦隊はブリュッヘル艦隊で、その背後にバイエルン候エーバルトの本隊が続き、さらにその後ろにはシュターデン、エルラッハ、フォーゲル艦隊が位置している。全艦隊がラインハルトを追尾する体制に入っていたため、いわゆる長大な単縦陣形を構築する形になってしまっていたのだ。対するラインハルト側はミッターマイヤー、ビッテンフェルト艦隊を両翼に従え、さらにバイエルン候エーバルト艦隊の右側面にはアレーナの私設艦隊が布陣して鋭鋒をぶつけようとしていた。
「全艦隊、まずは眼前の艦隊を撃破することに専念せよ。ミッターマイヤーは敵の右翼を半包囲しこれを圧迫、ビッテンフェルトは敵艦隊の後尾を突破して中央に食い込め!!本隊は敵艦隊を正面に捕え、これに主砲2斉射、敵を一気に撃破する!!」
ラインハルトは右腕を振りぬいた。目標はブリュッヘル艦隊である。
「行け!!」
彼の号令一下、ミッターマイヤー艦隊とビッテンフェルト艦隊は運動を開始する。彼自身の中央本隊も、今度はフィオーナを先頭にして一気に巻き返しにかかった。
「第一、第二部隊、主砲、WE2048に向けて斉射!!」
ヘルヴォールを始めとする戦艦群は今度こそブリュッヘル艦隊をぶち破るべく攻勢に出た。
「艦首ミサイル、同地点に向けて発射!!」
ヘルヴォールとその周辺の艦から放たれた艦首ミサイルは、相手の艦隊の迎撃砲火を潜り抜け、その中心部で所かまわず炸裂した。閃光と熱波が敵艦を巻き込み、奔流を作って混乱に陥れ、艦をなぎ倒したのである。
「第三、第四部隊、主砲、同地点に向けて斉射!!」
ブリュッヘル艦隊が健全で有れば体勢を立て直して反撃するのはまだ可能だっただろうが、先のティアナとの激闘で消耗し、ブリュッヘル艦隊も披露しきっていた。そこに津波のごとく波状攻撃を受けたのだからたまらない。
フィオーナ艦隊からの斉射は間断ない閃光の束をブリュッヘル艦隊に叩きつづけ、浴びせかけ、さらには前進してブリュッヘル艦隊とわずか数キロ地点にまで接近した。宇宙空間での数キロは1秒にも満たない時間に換算される。衝突回避装置があるとはいえ、一瞬の油断が正面衝突を引き起こしかねない。
だが、フィオーナは緩急自在な指揮ぶりでこれを交わしながら速度を落とすことなく全軍を誘導せしめたのである。これは意外でもなんでもなかった。事実ローエングラム陣営の中で艦隊運動の至芸ともいうべき技術を持つ艦隊はラインハルトの本隊を除けば、ミッターマイヤー、ロイエンタール、そしてフィオーナ艦隊だと言われているからだ。
光球が咲き乱れ、狼狽した艦がまるで道を開けるかのように左右に分かれようとするが、それすらも前衛であるフィオーナ艦隊の標的から逃れることはできなかったのである。
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