第4章:日常と非日常
第117話「■■の尖兵・前」
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「ちっ…!」
分身と僕の四人で、交差するようにすれ違う。
その際に、仕込んでおいた魔力の糸で囲うように切り裂こうとしたが、無意味。
「なら、これはどうだ!」
分身を消し、その際に余った魔力で創造魔法を行使。
魔力による実体のないものではなく、実際に隕石のように岩を落とす。
いくら魔法や剣がすり抜けるとはいえ、押し潰すのであれば…!
「……無駄、か」
するりと何事もなかったかのように奴は落とした岩の上に降り立った。
…余裕からか、奴は攻撃に積極的ではないのが助かるな…。
「……それで終わりか?」
「くそっ…!」
一旦、目暗ましをしてから椿たちと合流しようか。
そう考えた時。
〈“Espace compression”〉
「むっ……!?」
奴を覆うように結界が張られ、それが圧し潰すように縮んでいく。
奴の抵抗を許す事なく、その空間は圧縮され…。
「………これも、無駄なのか」
奴は、何事もなかったかのようにそこにいた。
空間の圧縮さえも、奴は無効化したのだ。
「“セイント・エクスプロージョン”!!」
「っ……!」
「優輝君!」
奴の足元に出現した魔方陣から爆発が起き、辺りが煙幕に包まれる。
その隙に僕の隣に転移してきた司が、もう一度転移して全員を一か所に集める。
「帝君は結界で隔離してきたから、大丈夫!」
「そうか。……だが…」
一度距離を離し、体勢を立て直す。
「…椿、葵、何かわかったか?」
「……残念ながら、ほとんど分からなかったわ」
「同じくね。」
先ほどの攻防をずっと見てもらっていたのだが、やはり分からなかったようだ。
「最悪、神降しも視野に入れよう。」
「ええ。……それすらも、通じるか怪しいけどね…」
「…だな」
煙幕が晴れ、再び奴の姿が露わになる。
「…くくく…!打つ手なしと言った所だなぁ。……じゃあ、そろそろ俺から行かせてもらおう…かっ!!」
「っ!?」
そういって動き出した奴の姿を、一瞬とは言え、見失った。
…してやられた。今のは遅めの速度から動き、一瞬にして高速に切り替える事で相手の意識外へと移動する動きだ。
つまり……。
「遅い」
「ぐっ……がはっ………!?」
その一瞬が、命取りだった訳だ。
奴の拳が僕の腹に深々と突き刺さり、大きく飛ばされる。
「優輝!!」
「このっ…!奏ちゃん!」
「ええ…!」
吹き飛ばされる中、葵と奏が接近戦を仕掛け、司と椿が援護する形になる。
…だが、ダメだ。今殴
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