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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜 Another
第6話 「今後の始まり」
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知っていてもおかしくはないが、少なくとも本人との面識はないはず。ここで彼女の口調を選択する意味が分からない。無意識に出たので大した理由はないのかもしれないが。

「あっそ……ならちゃんと留守番してろよ」
「む、何でそこで子供扱いするかな。そういう言い回しがわたしの心を傷つけてるって理解し……」
「ちゃんと帰ってくるさ」

 そう言ってアリシアの頭を軽く何度か叩く。
 ほんの少し前まで俺のことを父親のように慕う少女に似たようなことをしていたせいのか、少しばかり懐かしい気持ちになる。アリシアがあの子と同じ金髪だからなのか、それともアリシアが見た目よりも子供らしいからなのか。
 まあどちらにせよ、これは口には出さないようにするべきだろう。俺の同居人は子供扱いしたら怒るし、この世界で数少ない俺のことを理解してくれる存在なのだから。

「今日は見守るだけだし、仮に何かあっても大抵のことはどうにかしてみせる。だから大人しく待ってろ」
「……分かった。……今みたいなことを自然にしないでよ」
「ん?」
「何でもない! ちゃんと帰ってこないとただいまって言えないって言ったの!」
「そ、そうか……」

 それならいいんだが……そんなに怒鳴る必要はないと思うのは俺だけか?
 それに……リニスさんの浮かべている笑顔が意味深に思える。リニスさんはアリシアの隣に立っているし、アリシアの言ったことが聞こえたのかもしれない。
 だがそうなると今のアリシアの言葉が本当に言ったこととは別という可能性が高くなる。
 しかし、そこに突っ込んだところでアリシアが本当のことを言うとは思えないし、そこまで興味があるかといえばない。下手に機嫌を損ねた方が面倒なだけにここは気にしないことにしよう。

「じゃあ行ってくる」
「はい、行ってらっしゃいませ」
「行ってらっしゃい。寄り道しないで帰ってくるんだよ」

 俺は子供か。
 と言いたくなったが、見た目とこの世界での年齢は子供だ。アリシアの性格的にそこを突いているだろうし、それ以上にあまりここに時間を掛けるわけにもいかない。
 ある意味今日の出来事が今後の流れが自分の知るものと比較する大切な要因のひとつになる。それだけに早めに行って観察しなければ……

「言われなくても分かってる。補導なんかされたら面倒臭いからな……行ってきます」



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