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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜 Another
第6話 「今後の始まり」
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母さんとの思い出を作ってもらいたいから」

 この時期のフェイトは、アリシアのクローンとしての自覚がない。アリシアの思い出を自分の思い出だと思っている。
 それだけにプレシアから真実を告げられた時、あそこまで狼狽えて心が壊れそうになってしまった。
 それでもあの子はプレシアの元を訪れ、自分の考えをぶつけた。そのあとはあのような結末になってしまい……プレシアとの良い思い出はない状態で生きていくことになった。
 俺の知るフェイトが幸せでなかったとは言わない。不幸なことがあったとはいえ、あいつが浮かべていた笑顔は本物だった。
 ただそれでも……母親との思い出は大切だ。
 思い出があったからこそ、俺は両親が死んだ後も悲しみに耐えて過ごせた。義母さんが一緒に居てくれたのも大きな要因ではあるが、思い出も重要な要因なのは間違いない。
 それだけにアリシアの願いは理解できるし、それを叶えてやりたいと思う。

「……ショウ、どうかした? わたしの顔に何かついてる?」
「別に。ただ今のお前は少しだけお姉さんっぽいって思っただけだ……何だよその顔は」
「いや、その……ショウがお姉さんだって認めてくれるような発言をするとは思ってなかったから。もしかしてデレ期? わたし、ついにショウのこと攻略しちゃった?」
「……正直に言えば、お前への好感度は今の言葉でダダ下がりだ」

 ふと思ったのだが……こいつとはやてを会わせるのは危険ではないだろうか。
 この世界のはやてが俺の知るはやてと同じかは分からないが、なのは達が同じ性質である以上……この世界のはやても親しくなれば茶目っ気を出してくる可能性が高い。
 つまり……時期が来ればアリシアも表立って行動し始めるだけにはやてと絡む機会もあるだろう。性根というか行動指針に似ている部分がありそうなだけに揃うと面倒な展開になる気がしてならない。

「今回の事件が終わったらこの家から放り出してやる」
「ちょっ、それはいくら何でも言い過ぎじゃない!? ここ以外に行く当てとかないんだけど!」
「だったら人をおちょくるような言動を控えろ。それだけでお前への好感度は大分変わる」
「自分を偽って好かれてもあんまり嬉しくないかな〜」

 気の抜けた顔と声に苛立ちもしたが同時に毒気を抜かれるような気分にもなった。何というか、脱力した時のアリシアは少しレヴィに似ているかもしれない。
 なのはやフェイト達のことばかり考えていたが、この世界にレヴィ達が居るのだろうか。
 可能性で居てもおかしくはないし、俺の知る世界とは異なるのだから居なくてもおかしくない。ただ居るにしても居るのは魔法世界だろう。今すぐ出会うことはないはずだ。大体出会ったとして俺にとってこの世界のあいつらは……

「何だか暗い顔してるけど……やっぱり迷っ
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