第五章
[8]前話
「あの、もうプールとかでは」
「ああ、駄目よ」
「そうした開放的な場所では合わない」
「そうしないとね」
「危ないわよ」
友人達は友美にこう返した。
「だからね」
「それはなしよ」
「特に友美ちゃんはね」
「よくないから」
「皆私の水着姿を見て声をかけてきたから?」
だからとだ、友美は友人達にまた尋ねた。夏休みの図書館は静かで涼しく外の蝉の声も暑さも別の世界のことだ。
「だから?」
「そう、何といってもよ」
「友美ちゃんのそのスタイルもあるし」
「お肌の色もあるから」
褐色のいい日焼け具合に見えるその肌の色もというのだ。
「もう水着に似合い過ぎなのよ」
「夏のラフな服装にもだけれど」
つまり今の服装、半ズボン姿にも似合っている。
「水着は特になのよ」
「友美ちゃんのお肌の色は合っていて」
「危ないから」
「本当に暴走されないから」
「そうなのね、というか私のお肌って」
自分で自分の手を見てだ、友美はまた言った。
「そんなにいいのかしら」
「夏の服装、特に水着だと余計にね」
「スタイルと同じだけよ」
「女の私達でもそそられるものがあるから」
「男なら余計よ」
「だからね」
それでというのだ。
「用心はしてね」
「友美ちゃん自身もね」
「これからも」
「わかったわ、しかしね」
ここでだ、また言った友美だった。
「あの時は焼肉奢ってもらってそれからも結構だから」
「悪いって?」
「そう言うの?」
「そう思うけれど」
こう言うのだった。
「いいのかしら」
「相手は下心あるから」
「まあいいんじゃない?」
「これ位はね」
「もっとも下心に応えるつもりはないけれどね」
「こっちとしてはね」
「じゃあ下心がなくなったら?」
友美は友人達に彼等がそうなったケースについても尋ねた。
「どうするの?」
「まあその時はね」
「考えてもいいかもね」
「男の子って下心がいつもあるけれど」
「ましになればね」
今の全開状態からというのだ。
「そうなったらね」
「いいわよ」
「その時は」
「その時が来ればいいわね」
「そうね、やっぱり奢ってもらってばかりじゃ悪いし」
友美は微笑んで言った。
「落ち着いてたらね」
「その時はね」
「それぞれこれはっていう子と付き合いましょう」
女の子達は笑顔で話した、そしてだった。
秋にはお互いのグループでいい相手をそれぞれ見付けて付き合う様になった、それは友美も同じでだ。その彼と親しく付き合う様になった。彼女にとって白ビキニは幸せな出会いの水着にもなった。肌の色に似あっているだけでなく。
水着が似合う色 完
2017・7・27
[8]前話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ