暁 〜小説投稿サイト〜
恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
545部分:第四十三話 劉備、妹達を得るのことその六
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

第四十三話 劉備、妹達を得るのことその六

「この岩を何としても」
「それはわかっているわ」
「けれどこれは」
「梃子もありませんし」
 こんなことも言う鳳統だった。
「やはり割るしか」
「ええ、そうね」
「それしかありませんけれど」
「けれど。どうしたら」
 鳳統もだった。ここは困っていた。
 その時だ。月はその手に持っている薙刀を高く掲げていた。鳳統はそれを見て困った顔で言ったのだった。
「あわわ、月さんそれは駄目です」
「一体何が?」
「今お空に雷が鳴ってますよね」
「はい、それは」
「雷は金属に落ちます。ですから」
「こうして高く掲げたらですか」
「危険です」
 そうだというのである。
「ですからそれは」
「わかりました。それなら」
「さもないと大変なことになります」
 鳳統はそのことを恐れていたのだった。
「雷が落ちて」
「そうだったわね」
「ただ」
 そしてだった。ここで鳳統は閃いたのだった。
 それでだ。劉備を含めた三人に対して話した。
「雷を岩に落とすことができればです」
「岩が割れる」
「そうなりますね」
「はい、いけます」
 そうだというのである。
「それをするならですけれど」
「それなら」
 月がすぐに名乗り出た。右手にはその薙刀がある。
「この薙刀を岩の上に突き刺して」
「いえ、その薙刀は柄のところが木なので」
「駄目ですか」
「雷が岩に全て伝わりきれないかも知れません」
 鳳統はこう言って薙刀は駄目だというのだった。
「申し訳ありませんが」
「そうですか」
「それじゃあ」
 月が退けられるとだった。劉備が言うのだった。
「私のこの剣で」
「えっ、けれどそれは」
 鳳統は劉備の申し出にはさらに困った顔になった。普段からそうした感じの顔なのだがそれが余計にそうなってしまったのである。
「劉備さんが折角その手に戻された」
「けれど今は村の人達や関羽さん達が」
 だからだというのだった。
「そんなこと言ってる場合じゃありません!」
「ですがその剣は」
「剣よりも!」
 最早劉備にとって制止は無意味だった。
 そしてだった。すぐに動いてなのだった。
 岩の上にだ。普段の彼女からは信じられないような身のこなしであがった。そしてそこに剣を一気に突き刺してなのだった。
「これで!」
「劉備さん、すぐに退いて!」
 神楽がその劉備に叫ぶ。
「この天候ならすぐに雷が来るわ!」
「は、はい!」
 劉備は神楽のその言葉に頷きすぐに飛び退いた。スカートが翻りピンク色のものも丸見えになる。だが今はそれには構わなかった。
 そうして飛び退き着地する。やはり普段の彼女からは想像できない身のこなしである。その身のこなしで着地した瞬間だっ
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ