540部分:第四十三話 劉備、妹達を得るのことその一
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第四十三話 劉備、妹達を得るのことその一
第四十三話 劉備、妹達を得るのこと
遂にだ。雨が降ってきた。
「来たわね」
「そうね」
孔明と鳳統がその雨を家の中から見ながら話す。
「それじゃあいよいよ」
「来るわね」
「賊がだな」
マルコが二人に後ろから応えてきた。
「来るのだな」
「はい、間違いありません」
「おそらく数日中に」
「わかった」
マルコは二人のその言葉に頷いた。
そうしてだった。彼はあらためて言うのであった。
「それならばだ。極限流空手思う存分使わせてもらおう」
「えっ、今極限流って仰いましたけれど」
「確かに」
二人はマルコの今の言葉にはっとした顔になってだ。そのうえで彼に顔を向けて問い返した。
「マルコさんまさか」
「リョウさんやロバートさんの」
「御二人を知ってるのか?」
「はい、ユリさんも」
「知ってますけれど」
「今あの人達は何処にいるのだ?」
マルコも真剣な面持ちになって二人に問い返す。
「それで。何処になのだ」
「幽州の桃家荘にです」
「私達の本拠地に」
「何と、貴殿等のところにおられたのか」
「はい」
「私はまだそこには入ってませんけれど」
鳳統はそれでも知っているというのである。
「その通りです」
「世界は狭いな」
マルコは話を聞いて思わずこう言ってしまった。
「まさか師匠達までこの世界に来ておられるとはな」
「他にもです」
「ロック=ハワードさんとも御会いしてますけれど」
「おお、ロックもか」
ロックの名前を聞いてだ。マルコの顔が晴れやかなものになった。そのうえでだった。彼は笑顔になってそのうえで言うのだった。
「あいつもか。それは何よりだ」
「他にも大勢の方がこの世界に来られてますし」
「マルコさん達だけではなく」
「やはり何かあるな」
マルコもこのことを確信せざるを得なかった。
「我々がこの世界に来るということはだ」
「そうですね、それは」
「間違いありませんね」
二人もマルコのその言葉に頷く。
「前から思ってましたけれど」
「マルコさんのお話を聞いて余計に思いました」
「そうだな。それでだ」
マルコは二人に応えながら話を変えてきた。
「そろそろというがだ」
「はい、そうです」
「そのことですけれど」
二人も表情を険しいものにさせていた。その人形の様に整った顔がそうなったのである。そのうえでマルコに応えるのだった。
「賊はまず夜に来るでしょう」
「それも雨の時に」
「そうだな」
マルコも二人のその言葉に頷いて返す。
「それは間違いないな」
「夜と雨に紛れてです」
「それで村を攻略しようとしてきます」
二人はそのことは既に読んで
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