ウィザード・トーナメント編 前編
重役は澄ました顔で
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むことなく解けたし、なんなら見直し終わって寝てたよ。」
(魔法の基礎や成り立ち、そこから現れる特徴。俺はそれらを独学で勉強してたからな。授業を頻繁にサボるのは分かっていることを勉強したくないだけだ。)
「無理もないです。私が率いている"派閥"は教師との繋がりも固いものですから。」
(はぁ....そう言えばコイツは派閥のヘッドか。)
この実力が物を言う学園では、序列10位以上の生徒はそのほとんどが派閥を作る。派閥の雰囲気はそれを率いるヘッドに寄るので派閥の認識はヘッドの認識と考えてもいい。
中には派閥を作らずに他の派閥に所属するような奴も数名いる。序列2位のエリナが率いている派閥「ソレイユ」はマーリン学園においては強大な3大派閥の一つで序列10位以内の生徒も2人所属している。一人は序列3位。つまり紗友里だ。
「そこで提案をするわけですが、私の派閥に入り、私のためにその力を使ってもらえませんか?なんなら次回のウィザード・トーナメントのパートナーになって頂いても良くってよ。」
(つまりは「私を生徒会長にするために骨を折ってくれ」って言うわけか。)
「紗友里の入れ知恵か?」
「あら?悪い提案ではないでしょう?」
悪い提案ではない。むしろ普通の生徒ならば間違いなくその申し入れを飲むことだろう。エリナの実力を考えればイザベルより強いことは明白だ。
イザベルの序列は50位。俺が知る真希乃の友人の中では真希乃に次いで高い。ちなみに真希乃の序列は5位。過去に派閥を作ろうと提案されたそうだが、「自分は役に立ちたい人がいるから」と言って派閥を作らず、また所属もしなかったそうだ。
(そう言えば、なんで真希乃はそれを話してくれた時に顔赤くしてたんだ?)
「答えを聞かせてもらいましょうか?」
「じゃあ、普通に断らせてもら......」
ドンッという音がすると彼女は壁ドンのようなことをしていた。どうやら意地でも受け入れるまで返すつもりがないらしい。
「私の聞き間違いかしら?」
「いや、アンタの耳はちゃんとしてるぜ。」
「フフッこれはしつけが必要ね。安心しなさい。私が一晩たっぷり可愛がってあげるわ。」
「はぁ.....わっかんねぇ奴だなぁ。」
次の瞬間彼女の顔が強張り、俺は彼女を押し倒した。彼女はまるで別人を見ているかのように少し恐怖を持った目をしていた。
俺は口づけをするように彼女に顔を近付ける。すると彼女は目を閉じながら抵抗するのを諦めたような顔をしていた。俺は彼女の唇ではなく耳たぶを軽く噛む。
「ひゃん!」
初対面の時とは明らかに声が違う。やっぱり見掛けがすべてで知識も何もない馬鹿だ。勘違いしないで欲
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