来店
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膨大な数に及んでいた共犯』は今もまだ全貌を把握しきれていないと聞く。
「じゃあ、あんたが……」
「え? ショウキくんから話でも聞いてるの? 浮気相手の話だなんて、照れちゃうなー、もう!」
「……リーベ……?」
そして入手していたリアルの情報を盾にして、死銃の数を膨大にしていた張本人。事件の最中、自らを《SAO失敗者》と名乗ってショウキに迫り、どうしてか彼に執着していたと。人を食ったような態度、支離滅裂な言動、踊り子のような服装、どこかで聞いたことのあるリーベという名前。それらはショウキから聞いていた話そっくりであったが、身体をもじもじとさせて恥ずかしがっている少女の姿を見れば、アバターとはいえとても信じられない話だった。
「ご紹介にあずかりまして! こっちでもリーベって名前だよ? あ、ショウキくんの好みに合わせて、ちょっと胸は大きくしたけどー」
「……何しに来たのよ」
「だから言ったじゃん。ショウキくんを貰いに来ましたー、って」
しかして信じられようが信じられなかろうが、目の前の少女は間接的ではあるにしろ、他の人間を殺そうが何とも思わない『死銃』の片割れであるのだ。店からの強制退去を見せようが何の躊躇もせずに近づいてくるリーベに、恐怖と忌避感を感じたリズはまた一歩と足を退かせてしまう。
「ショウキくんは向こうかな? それじゃ挨拶でも――」
「――待ちなさい」
……いや、リズは無意識に離れようとする足を無理やり押し留めると、踊るようなステップのリーベの前に立ちはだかった。この少女をショウキに会わせる訳にはいかないと、先の自分の直感は正しかったと確信しながら。
「伝言があるなら伝えてあげるわよ。あんたを捕まえようとしてる連中にね」
「うーん……それは困るなぁ。だってショウキくんなら、ウチのこと殺しに来てくれるでしょう?」
「は?」
「ショウキくんなら《GGO》でウチのことを止められなかったことを悔やんでるから。今度こそ自分に止める責任があるって、熱烈なラブコールをしてくれるよね! まったくショウキくんったらクソ真面目だからさ〜」
「あんたがアイツのことを語らないで!」
勝手なことばかりマシンガンのように喋り続けるリーベに、遂にリズが怒りのままに店中に響き渡るような声を叫ばせた。それにリーベも驚いたようにピタリと喋るのを止めると、突如として真顔になったままリズへと顔を近づける。まるで口づけするかのような顔と顔の距離になったまま、気味が悪いとリズが離れるより早く、リーベは悪魔の囁きがごとく呟いた。
「でも――合ってるでしょう?」
「ッ……!」
……確かに、リズも分かっていた。ショウキがこの女と会ったのならば、彼は負う必要もない責任感に煽ら
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