来店
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で一度も発したことのないような冷えきった声色が、リズのアバターを通して放たれた。しかしてそのプーカは気にする様子もなく、また冗談のつもりでもなかったのか、またもやその意味不明な問いを返してきた。その瞬間から目の前の相手はお客様ではなく、『敵』へとリズの心中内で姿を変えていった。
「……何、あんた。あいつの知り合い?」
「知り合い……っていうか、愛しあった仲かな?」
「ハッ」
どこかで会ったことがあったかと、そのプーカのアバターをジロジロと見てみれば。自分のソレより激しいショッピングピンクの髪型を、無造作に肩まで伸ばしたままのロングヘアー。肩やヘソなどを見せつける露出度の高い服装も合間って、どこか外国の踊り子のような雰囲気を感じさせたが、肌の色だけは気味が悪いほどに真っ白で。小柄な身体をウロチョロと動かしながら、煽るように見上げてくる動作を鼻で笑う。
「あいにく非売品よ。お引き取り願える?」
「えぇ〜。ショウキくんとはさ、あんなに熱く、濃厚に……殺しあった仲なのに」
「……あんた、何者よ」
愛しあったなどと分かりやすい挑発に乗ることもなかったが、『殺しあった』などと言われれば《SAO》のこともあっては聞き逃せず。睨み付けながら問い返したリズが見たものは、頬を紅潮させて身体をビクビクと震わせながら、ニッコリと笑顔を貼りつけたその女の姿だった。
「やん。そんな熱い視線で見つめられちゃ感じちゃう」
目の前の理解できない生物に対して、リズは無意識に足を1歩引いてしまう。先程までは店を埋め尽くさんというほどにいた筈のお客様は、どうしてか一人もいなくなってしまっていて、店にいるのは店員NPCを除けばリズとそのプーカだけで。そのことに今更ながら気づいたリズは、工房にいる筈のショウキを呼ぶかどうか考えたが、そんなことは脳内で即座に却下する。
「……帰りなさい」
「えー、せっかく来たから、ウチが何者かぐらい言わせてくれない? んーとね、何だかんだと聞かれれば……コレかな?」
ショウキとこいつを会わせてはいけない。そうけたたましく鳴らされる警鐘に従って、店主権限で他プレイヤーを追い出すメニューを可視化してプーカに見せれば。何が面白いのかクスクスと笑っていて、何を考えているのか指を銃のポーズで見せつけてきた。それがプーカの正体ということなのか、リズが考えを巡らせる前に彼女は口を開く。
「死銃、デス!」
「っ……!?」
「ま、本物の死銃さんは今頃、二人とも美味しいごはんェンドごはーんを食べてるんだろうけどー」
死銃事件。もはや昔の話となったが、VR世界から現実世界の人間を殺害する事件。キリトにシノン、ショウキが暴き出した主犯の二人は、菊岡さんの手によって捕まっていたが、『
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