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Fate/GrandOrder///OutBre;ak
別の世界
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ゃったんだね」
 
 「そんなに呆れる会話の内容だったかね?」
 
 「まぁまぁ、彼はお堅いから。こういう会話は苦手なのさ」
 
 「そりゃあ、残念だー」
 
 二人の気分屋はニヤニヤと笑う。
 何処と無く、同じ雰囲気を持つ彼等は心の奥底で、何かを感じていた。それを言葉にするとなん読むのか書くのかは解らない。ただ、何かを感じていた。
 これから起こることなのか。
 それとも、既に起きた出来事なのか。
 曖昧な、この何かは胸の奥でひしひしと音を立ててその存在を知らしめている。その存在を彼等は知らない。なのに、この何かは胸の奥で確かにざわめいている。
 彼等は確信した。
 何か、何かが、始まろうとしている。
 
 「なぁー。マーリンのダンナ」
 
 「ん、何かな?」
 
 「ダンナって、千里眼の持ち主だったよな」
 
 千里眼。
 グランドキャスターの素質を持つ者の必須条件とされる特殊な能力だ。マーリンは現在の全てを見通すという能力を持っている。
 
 「あぁ、そうだけど。それが、どうしかたのかな?」
 
 「いや、なに。ちょっと今、変なこと起きてないかなぁって思ってさ。
 俺。前回の戦いじゃぁ、あんまり役に立たなかったじゃん?
 そろそろ名誉挽回でもしようと思って」
 
 「あんまり役に立たなかったって……君ねぇ。あれだけ活躍しておいて、」
 
 「いやぁー。道中は俺と違って強くて逞しい方々が奮闘してくれた訳じゃん。俺って、特殊な能力持ちだけど魔人柱相手にはあんまり効果無かったから後ろで芋ってたし」
 
 「まぁ、それはそうだが。
 君は、あの災厄?ビースト?にトドメを刺した英雄じゃないか。そんなに自分を過小評価するのはどうかと思うけど?」
 
 「うーん……まぁ、トドメを刺したのは俺だけどさ。そのトドメまで行けたのはアイツらのお陰じゃん。俺の礼装は、あのビーストを倒すためだけ存在していたようなもんだしさ」
 
 アンリマユの所持する概念礼装『最後の欠片』はビーストのみに効果を発揮する特殊礼装で、ビーストのクラスに対して有利になるという変わったものだ。普通に使っても持っていても何の効果の意味も成さない礼装だが、先の戦いでは真の効果を発揮した。
 自称、最弱の英霊。
 もとい。最弱の英霊が、災厄の獣に終止符を打った。
 
 
 この世界は、一つの可能性。
 無数に存在する可能性、分岐ルートの一つだ。
 途中までの過程は同じ、なのに途中からの過程は全くの別物。
 そんな一つのルートでは、本来通る道を通ったにも関わらず、起こり得ない可能性を引き起こし、人類悪 ビーストを顕現させた。
 とある誰かの話だと、行き方は違えど目的地には到着するという謎の理論を言っていた。
 
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