第7章 聖戦
第173話 古き友
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今、この時に引き当てる可能性だってある!」
汝の正体見たり!
そう叫ぶチンチクリン。しかし、此奴、懲りない奴だな。
「おう、今度は見えるぞ!」
ここまで相手の能力の数値化に拘る割に、言って居る事は根性論。数値に拘ると言う事は、此奴自身は厳格に、冷徹に数字に支配されていると思うのだが……。
普通に考えると其処に心が作用する部分はないとも思うのだが。例えば能力値十と能力値九なら確実に能力値十が勝つ。ここに運や偶然が加わる要素などない。
そう言う物だと思うのだが……。
運や偶然が作用するのなら、そもそも、その数値化自体があまり意味をなさなくなる。
非常にくだらない疑問を思い浮かべながらも、そのまま黙って経過を見守る俺たち。
……と言うか、この俺たちの態度で結末を想像出来ないから此奴は万年ヤラレから脱せないのだが。
「見えたぞ、見えたぞ」
勝ち誇った様子で、そう言うチンチクリン。しかし、どうも此奴の中では相手の能力を見る事がすべてで、見えさえすれば勝てる……と思い込んでいるみたいなのだが。
ただ、世の中、それほど甘くは――
「何々。体力……絶倫?」
知能、満点。器用、指先だけでイカせられる。
素早さ……。
「誰が早いんじゃ、誰が! オマエ、見たんか、計ったんかっ!」
「は――」
しかし、その瞬間またも発生する時間の逆転現象!
チンチクリンが何か言い掛けた。いや、間違いなく奴は何かのワードを口にしたはず。しかし、何故かその瞬間に時間が逆転。何か言い掛ける前の段階まで時間が巻き戻され、ハリセンで吹っ飛ばされるチンチクリン。
そのまま正面の壁にぶつかり、右側の壁と同じようにあっさり粉砕。先ほどと同じように瓦礫の下に埋まって仕舞う。
まぁ、死なないと思い込めば死なない奴だから、この程度で死んで仕舞う訳はないか。
果たして無敵のステータスを持つ裸神と、思い込めば絶対に死ぬ事のないチンチクリン。マジで戦えばどちらが勝ち残る事になるのか。その辺りに興味がない訳でもないが、その辺りに関しては、今はどうでも良いか。
そう、流石に俺の魂は永い、永い旅を続けて来た魂。その中でチンチクリンのように数値化したステータスがすべてだ、などと思い込む馬鹿に出会った事がない……などと言う訳はない。
その度に此奴。この裸神に御足労願っていた。そう言う事。
そもそも、此奴のステータスは……そのステータスが見える人間の言葉を信じるのなら、それは全て言語に因る表記。つまり、例え素早さが三の奴が見ても、三億の奴が見ても、此奴は早く見える。そう言う存在らしい。
こんな奴に正面からステータス勝負で喧嘩を売れば、其れこそ、そのステータスの差に因って百パーセント負ける。この
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