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蒼き夢の果てに
第7章 聖戦
第173話 古き友
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うなっているのかについて無頓着な可能性はあると思うが……。

 俺の言葉に、何か思う所があったのか自らの身体を上から確認して行くチンチクリン。
 割と様に成っていたファイティングポーズを取っていた腕は……当然のように問題なし。そもそも、この部分は最初から真冬のアルザス地方には考えられない半袖のアロハシャツだった部分。むき出しの赤銅色、しかし、二の腕には無駄な肉の付いた腕が二本、最初にこの場所に現われた時と同じほぼ無傷の状態で存在していた。
 其処から身体に視線を移すチンチクリン。上半身は良く日に焼けた赤銅色。但し、矢張りまったく鍛えられた気配のない無様な身体。

 そして……。

「なんじゃこりゃー!」

 突如発生する絶望に彩られた悲鳴。まぁ、一般人ならばそう言う反応が出ても不思議ではないと思う。……思うのだが、しかし、俺の立場から言わせて貰うのなら、最初に此奴が現われた時に着ていた真冬のアロハよりも、今の奴の姿の方が有りだと思うのだが。
 少なくともある種の寒稽古の最中なら、今のチンチクリンと同じような姿となる男性はかなりの数存在しているのだから。

 その場に座り込み、自らの下半身を覆う白い布製の下着を呆然と見つめるチンチクリン。その視線は信じられない物を見た人間の瞳。
 う〜む、もしかすると此奴は自分の服装に妙な自信を持っていたのではないのか。

 俺自身が服装に対しての拘りがないので、その辺りはあまり共感出来ないのだが、それでも何故、こんな事が起きたのか。その説明ぐらいは為すべきか。
 そう考え――

「その謎のふんどし漢は……あまり認めたくはないが、それでも一種の神。オマエさんはその神が顕現する瞬間を間違いなく見て仕舞ったんや」

 僅かな溜め息が口元を白くけぶらせた後、一応の説明を始める俺。

 そう。幾ら本人。チンチクリン自身が異常なまでに鈍感で、その辺りの事に対して無頓着であったとしても、それでも生命体として持っている神に対する畏怖と言う物はある。

「その神……裸神が顕現した瞬間を瞳に映したオマエさんは無意識の内に神に対する畏れと、そして敬う心を同時に持って仕舞った」

 その心の現れが、その白いふんどし。奴に帰依する者すべてに与えられる聖なる衣装。
 もうアホらしくて説明するのも嫌なのだが、この手のお笑いキャラを相手にさせるのに、これほど相応しい神はいない。まして、その能力は一級品。搦め手を使わず、正面から相対せば、俺でも絶対に負ける。そう言う奴でもある。
 この裸神と言う神は。

 しかし――

「いいや、未だだ!」

 俺は完全に折れてはいない!
 そう叫び、立ち上がるチンチクリン。そして!

「例え勝てる可能性が一パーセントしかなくても、その一パーセントを
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