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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
538部分:第四十二話 于禁、事実を知るのことその十四

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第四十二話 于禁、事実を知るのことその十四

「ここまででかいとな」
「目がいって仕方ないの」
「あら、そういう李典さんも」
 黄忠は微笑んで李典に対して返す。
「立派だけれど」
「いやあ、負けるわ」
「私もそこまで大きくなりたいの」
「なれるわ」
 笑顔で言う黄忠だった。
「ちゃんとね」
「なれるの?」
「そう、なれるわ」
 また言う。
「ちゃんとね」
「そうだったらいいけれど」
「それでね」
「はい」
「胸を大きくするには」
 于禁にその秘訣を話すのだった。
「恋をすることを」
「恋をなのですね」
「そうよ。恋をよ」
「わかりました。それならなの」
 于禁は真剣な顔で黄忠の言葉に頷く。そうしてだった。
「私そっちも頑張るの」
「何ごとも努力が重要だ」
 ここでも真面目な楽進だった。
「それはな」
「そうなの。私頑張るの」
「沙和にはいつも助けられている」
 これは于禁には想像もできない言葉だった。
「よくな」
「そうなの?」
「戦いの時も横を守ってくれる」
「そやな」
 李典も楽進のその言葉に同意してきた。無論この三人も髪を解いている。解けばだ。三人共かなりの長さである。特に楽進と于禁の髪は普通に腰まである。相当な長さだ。
「お陰でうちも気楽に戦えるわ」
「感謝しているのだがな」
「そうなの?」
 二人の言葉を聞いてだ。于禁は目を丸くさせて驚いた。
 そしてだ。彼女はその驚いた顔で二人に問い返した。
「私、二人の役に立ってるの」
「気付いてなかったんかいな」
「そのことに」
「全然。今言われてびっくりしてるの」
「うち等だけやないで」
「マルコ殿達もだ」
 彼等もだというのだ。
「感謝してくれているのだぞ」
「あんた本人には言ってへんけれどな」
「どうしてなの?それは」
「あんた照れ性やさかいな」
 だからだというのだ。
「それでや」
「それでなの」
「そういうこっちゃ。まああれや」
「沙和は自分で思っている程弱くはない」
 それはないというのだ。
「頼りにしているからな」
「二人共有り難うなの」
 于禁は泣きそうな顔で二人に言う。
「私これからもっともっと頑張るの」
「ああ、よろしゅう頼むで」
「これからもな」
 二人も彼女に微笑みで返す。そうしてだった。
 于禁は笑顔で眠りに入った。その昨夕を二人が囲んでだった。そうして眠るのだった。
 そして劉備達も寝る。しかしだった。
 劉備は中々眠れなかった。目を閉じていてもだ。
 その彼女にだ。関羽が言ってきたのだ。

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