ペルソナ3
1768話
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仮面が浮かんでおり、手が生えている。
まさにスライムもどきと呼ぶに相応しい存在。
このスライムもどきが、実際に昨日俺が戦った奴と同じ存在なのか、それとも似てはいるが実際には違う個体なのか。
その辺りは分からないが、それでも分かっている事がある。
それは……俺達にとって、敵だということだ。
「ゆかり、いけるな」
「当然よ! 昨日の借りを返してやるわ!」
あのスライムもどきを見た時、昨日の事を思い出して動けなかったりしたらどうするべきか……とか思ったんだが、意外にゆかりはしっかりと矢を番えた弓を構えていた。
うん、これはきっとさっき俺が手を握ってやったおかげだな。
そんな風に思いながら、改めてスライムもどきの方を見る。
向こうもようやく俺達に気が付いたのか、地面を這いながらこっちに向かって来ているんだが……速度が遅いな。
昨日ゆかりを襲っていた時は結構な速度をだったと思うんだが。
それとも……なるほど。
「ゆかり」
「任せて!」
俺が告げると共に、弓に番えられていた矢から手が離され、そのままスライムもどきに向かって飛んでいく。
「ギャ!」
矢の先端が突き刺さるのと同時に、スライムもどきの仮面がある場所から悲鳴に似た声が聞こえてくる。
どうやら、物理攻撃は有効らしい。
昨日の戦い――と呼ぶべきかは微妙だが――で俺が使ったゲイ・ボルクは、魔力を宿している武器だ。
それだけに、昨日あのスライムもどきを倒した一撃は、魔力による攻撃だったのか、物理的な攻撃だったのか、その辺りが分からなかったんだが……矢が突き刺さって悲鳴を上げているというのを考えれば、物理攻撃で十分ダメージを与える事が出来るという証拠だろう。
「よし、続けろ」
「分かった」
その言葉に、再び矢を弓に番えるゆかりだったが……
「きゃっ!」
「っと、油断禁物だな」
飛んできた氷……いや、小さな吹雪とでも呼ぶべきものを、ゲイ・ボルクを使って弾く。
昨日もそうだったが、どうやらこのスライムもどきは氷系の魔法を使ってくるらしい。
エヴァ辺りがいれば、喜んだかもしれないが……喜ばないか。
寧ろ、邪魔だといった感じで潰すだろう。
「続けろ」
「え、ええ」
まさか吹雪で攻撃されるとは思わなかったのか、ゆかりは少し驚きながら、それでも再び矢を番える。
それを見て、スライムもどきもこのままだと危険だと判断したのだろう。
今までのゆっくりとした移動速度ではなく、まるで地面を滑るかのように、一気にこっちとの距離を縮めてくる。
「ゆかり!」
「分かってるってば!」
その言葉と共に、番えられていた矢が射られる。
だが、真っ直ぐに飛んでいった矢は、スライム
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