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おぢばにおかえり
第四十話 神戸に帰ってその二十一

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「四月にいきなり会ってしかも同じ奥華で」
「同じ高校で同じ大教会だと」
「いつも会うの?」
「そうなの、これがね」
 残念なことにです、私としましても。
「どういう訳か」
「それも縁じゃないの?」
「というかお引き寄せ?」
「お姉ちゃんとその人のね」
「そうじゃないの?」
「私もそうかしらとも思うけれど」
 それでもです、もっと思うことは。
「若しかして運命の人とか?」
「親神様のお引き寄せでの」
「そんな筈ないわよ」 
 自分でもむっとして怒った顔になっているのがわかりました、阿波野君のあの脳天気極まりない笑顔を思い出しもしまして。
「絶対に」
「いや、絶対に言われても」
「神様のことだからね」
「人間じゃわからないわよ」
「そんなことは」
「それでもないわよ、それこそね」
 妹達にムキになって反論しました。
「ここでも会わない限り」
「神戸でもなのね」
「その人と」
「その子奈良の子よ」
 何か奈良県の東の山に囲まれた町にいるそうです。桜井市の方だとか言ってました。
「何で神戸で会うのよ」
「考えてみたらないわね」
「今会うことなね」
「そう、ないわよ」
 私は確信して言いました。
「絶対にね」
「そうなのね、ちょっと残念ね」
「そうよね、どんな人かお会いしたいと思ってたけれど」
「奈良じゃね」
「私達絶対に会えないわね」
「というか会わなくてもいいわよ」
 お布団の中で上機嫌でお話する妹達にむっとして言いました。
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