533部分:第四十二話 于禁、事実を知るのことその九
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第四十二話 于禁、事実を知るのことその九
それを見てだ。また言う彼女達だった。
「それなら水攻めも」
「予想より確実にいけますね」
「ほなやろか」
李典がにんまりと笑う。その白く奇麗な歯が見える。
「三人で。悪い奴等をいてこます仕掛けを作ろうな」
「はい、それじゃあ」
「今から」
二人も頷いてだった。すぐに用意にかかるのだった。
楽進は馬岱と手合わせをしている。その時にだった。
槍を振るう馬岱はだ。彼女の戦い方を見て言うのだった。
「楽進さんって武器は使わないのね」
「一応槍は剣は使えますが」
「それでも拳が主なのね」
「はい」
両手を拳にして構えながらの言葉だった。
「そうです。気を使います」
「それと体術ね」
「そうです。その二つで戦います」
「気も使うっていうと」
馬岱が注目したのはここだった。
「やっぱり。その気を飛ばせるのね」
「はい、飛ばせます」
「今できる?」
「使わせて頂いて宜しいでしょうか」
「うん、御願い」
笑顔で答える馬岱だった。
「是非見せて」
「わかりました。それでは」
楽進は馬岱のその言葉に頷いた。そうしてだった。
すぐにだ。両手首の付け根を合わせて掌を縦に上下にしてだった。
そこから白く大きな気を飛ばしてみせたのだった。
「うわ、本当に凄いね」
「まだ完全に使いこなせていませんが」
「ううん、滅茶苦茶凄いよ」
馬岱は完全に驚嘆する顔になっている。
「楽進さん最高よ、滅茶苦茶凄いじゃない」
「私は別に」
「だって私なんてね」
「馬岱殿は?」
「気はまだ使えないから」
そうだというのである。
「姉様達は使えるけれどね」
「槍や弓に気を込めて放たれるのですね」
「うん、それはまだできないの」
「そうなのですか」
「できるようになりたいけれどね」
「そうなるにはです」
「修業よね」
どうしたらできるようになるのかはもうわかっていた。やはりそれだった。
「それをしていけばなのね」
「はい、私もまだまだですから」
「修業してるんだ」
「人生は常に修業です」
随分と厳しい言葉だった。自分自身に対して。
「ですから日々です」
「真面目だね、そういうところ」
「そうでしょうか」
「うん、真面目だよ」
馬岱はにこりとした笑顔で楽進に対して話した。
「とてもね。それがきっとね」
「きっと?」
「楽進さんを立派な人にしてくれるよ」
「私はそんな」
「謙遜しなくていいから」
またにこりと笑っての言葉だった。
「だって本当のことだし」
「ですからそれは」
「いいっていいって。それじゃあね」
「はい、それでは」
「何か食べる?」
馬岱は話を変えてきた。
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