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奇妙な暗殺教室
移動の時間
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機密のターゲットである俺たちの担任の姿が何処にも見当たらなかった。


「……………」


「……………」


見つめ合うコト数十秒お互い同じことを思ったのか嫌な沈黙が始まり、額から変な汗がでる。あぁ…嫌な予感しかしない。


「い、一応電話してみる…」


「頼む……」



そう言い中村が電話を掛けようとした次の瞬間『ゴンッ!』と窓に何かがぶつかった音が聞こえた。


「ん?…って何で窓に張り付いてんの殺せんせー??」


中村が振り向いた先には殺せんせーが窓に張り付いていた。


『いやぁ、駅中スウィーツを買ってたら乗り遅れまして……次の駅までこの状態で一緒に行きます。ご心配なく、保護色にしてますから服と荷物が張り付いてるように見えるだけです』


「それはそれで不自然だから??」



「これでバレたら確実に烏間先生の胃に穴が空くから次の駅まで先回りして待ってろよ!」



目の前で繰り広げられる芸人さながらの喜劇を前に、丈一郎は本日何度目か分からぬ溜息をついた。そして、この茶番劇は次の駅に着くまで続けられた。


「いやあ……疲れました。 目立たないように旅をするのは疲れますねぇ……」


「いやいや、目立ってるからな国家機密」


「完全に不審者ね……」


「それで目立ってないと思っているって逆に凄いよね」


言われたい放題の殺せんせーに見かねたのかE組の中でも手先が器用な菅谷が殺せんせーの付け鼻をカッターで削り始めた。


「……殺せんせー、ほれ。まずそのすぐ落ちる付け鼻から変えようぜ」


「おお!凄いフィット感!」


「顔の曲面と雰囲気に合うように削ったんだよ。俺そんなん作るの得意だから」


成る程な。人間の鼻にするんじゃなくて丸めを帯びる事で殺せんせーの顔にフイットするよう作ったわけか。


「やるじゃあねーか菅谷」


「まぁな、何せこれだけが取り柄だからな」


その後、京都についたE組は千手観音像で有名な三十三間堂などといった由緒正しいお寺を周り、京都の歴史の一部に触れた俺たちはそれなりの満足度の中宿泊先の旅館に着くが約1名それどころじゃないのが居た。



「にゅにゃ〜〜…きぼじ悪い」


俺たちの目の前にいる殺せんせーは、ソファに座りグッタリしていた。新幹線とバスの乗り物酔いで今にも死にそうな顔をしていた。


「大丈夫?寝室で休んだら?」


岡野はナイフを振りおろしながら聞くが、殺せんせーは避けながら答える。


「いえ…ご心配なく、先生枕を忘れてしまったんで1度東京に戻ります…」


「あれだけ荷物あって忘れ物かよ!」

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