532部分:第四十二話 于禁、事実を知るのことその八
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第四十二話 于禁、事実を知るのことその八
村の警護をさらに固めそのうえでだ。地図も見るのだった。
「これがこの村とその近辺の地図です」
「あっ、これは」
「泉ですね」
孔明と鳳統がその地図を見て楽進に問う。
「この村の水源ですか」
「この泉が」
「はい」
その通りだと答える楽進だった。
「この季節は水はあまり豊かでないそうですが」
「それでも間も無くかなりの量の雨が降るらしい」
柳生も話す。
「雨季に入ってな」
「するとだ。その時にだ」
マルコの顔が曇る。そのうえでだった。
「賊達が来るのだ」
「水もついでに手に入れる為か」
「せこい奴等なのだ」
関羽と張飛はその理由を見抜いて眉を顰めさせる。
「人の水を奪おうなどとはな」
「真面目に働けなのだ」
「擁州に行ったら好きなだけ働かせてくれると聞いてるっちゃ」
ホンフゥが言うのは所謂強制労働である。
「是非そこに行ってもらうっちゃよ」
「その為にはですね」
劉備が言った。
「まずはこの村を守って」
「賊を倒しましょう」
最後に楽進が言った。これで決まりだった。
孔明と鳳統はすぐに泉を観に行った。そこは山の上で盆地状になっている。そこから村の前につながっているのであった。
そこに入ってだ。まずは鳳統が言った。
「ここの水をですね」
「どないするんや?」
「賊が来たら流しましょう」
こう提案するのだった。
「賊の数は多いですね」
「これが結構おるんや」
困った顔で話す李典だった。左手でその頭をかきながら話すのである。
「困ったことにな」
「それでは余計にです」
「水攻めで一気にかい」
「はい、それで倒しましょう」
こう話すのだった。
「それでどうでしょうか」
「ええな、それ」
李典もそれに賛成するのだった。
「ほな水を貯めてそれを一気に出す堤を作っておこか」
「そうですね。それなら」
孔明はここで名乗り出ようとする。彼女はそうしたものを作ることも得意だからだ。しかしここで李典が笑いながら話すのだった。
「ああ、それはうちがや」
「李典さんが?」
「そや、作るで」
笑顔で話す彼女だった。
「それはまかせとき」
「李典さんって」
「そういうものを作られるんですか」
「見るか?結構色々なもの作られるで」
こう話してだ。場所を変えた。三人は村に戻って小屋の中に入ってだ。李典のそのからくりを見るのだった。その三人でだ。
「へえ、この針金をですか」
「曲げて輪にしていってですね」
「それでからくりの中に入れてや」
その丸くした針金を見せての話だった。
「そんで動かすのに使うんや」
「成程、そうなんですね」
「凄いですね、これって」
「まあ作ろうと思えば作れ
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