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ドラゴンクエストX〜紡がれし三つの刻〜正式メンバー版
二の刻・青年期前半
第三十二話「アルカパの町で」
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ます。後は町の皆に聞いてみます」
「すまないな、役にたてんで。…待てよ、お前さんの名前、確かリュカ…とか言っておったな」
「ああ。俺の名はリュカですけど」
「おおっ、そうか。お前さんがリュカか」
受付をしていた宿屋の親父はリュカの名を聞くと顔を綻ばせた。
「ダンカンさんの娘さん、確かビアンカという名前じゃったな。もしリュカという男の子が来たらと伝言を預かっておるんじゃ。え〜と、この辺に伝言を書いた手紙を置いてあった筈。あった、あった」
そう言いながら親父は机の引き出しの中から手紙を探し出し、リュカへと差し出す。
「ほれ、これがお前さん宛ての伝言じゃ」
「ビアンカからの…」
リュカは渡されたその手紙を読み始める。
《リュカ、サンタロ==が襲われたって聞い=けど貴方は大丈==ね。パパスおじ==が王子様を攫ったっ=聞いたけど私は信じてないからね。それと、折角尋ねて来て=れたのに居なくてご==ね。私達はずっと西の方にある小=な村にパパの療養の為=引越ししなけ===らなくなって、私だけでも残ろう==たけどパパとママが=配だから私も行かなければいけないの。あんまり小さいんでちゃん==た名前は無いけど少し離れた場所に===ナっていう==な町があるから其処を手掛かりに探してみてね。待ってる===対に来てね。『ビアンカより』》
「なんだこれは?所々掠れててまともに読めないじゃないか」
横から一緒に読んでいたヘンリーが呟くと女将さんは親父に怒鳴りつける。
「そ、そりゃすまないねぇ。アンタッ!なんでもっとしっかりと仕舞っておかなかったんだい!」
「だっ、だってよう、こんなに時間が経ってから来るなんて思ってなかったからよぅ」
どうやら直ぐに来ると思っていたらしく、きちんと保存していなかった為に文字などが掠れてしまったらしい。
「だ、大丈夫ですよ。とりあえず無事だって言う事は分かったんだし、どうせこれから旅に出るんだし後は俺達なりに探してみるから」
「そうかい、何だか悪いねぇ」
女将さんは親父さんを小突きながらそう言い、リュカ達は他の情報を探る為に町へと出かける事にした。
―◇◆◇―
宿屋を出て、まずはと教会に行くと一人のシスターが青い顔をして出て来た。
「大丈夫なのか、随分と顔色が悪いが」
そのまま教会を後にしようとしたシスターをヘンリーが呼び止める。
「心配をおかけした様ですいません。私には感じる事が出来るのです、かつて神が施したと言う魔界の扉の封印。その封印の力が弱まりつつある事が」
「魔界の封印が?」
「ええ、もし封印が破られる事にでもなれば世界は闇に蔽い尽くされるでしょう。私はその事が恐ろしい、ああ」
そう俯いたシスターだが、徐に顔を上げる
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