ペルソナ3
1767話
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だが、こうして周囲を見渡しても、どこにもあのスライムもどきや、その仲間と思しき姿はない。
「だとすれば、あのスライムもどきは偶然街中に出たんだろうな」
「偶然街中に出て、偶然あの現象の中でも動ける私と遭遇して襲ってきたって事? それだと、ちょっと信じられなくない?」
「偶然が3つ重ねれば、それは必然だって話があるけど……今回の場合、重なった偶然は2つだろ? なら、まだ偶然で済ませてもいいんじゃないか?」
「それは……そうかもしれないけど」
不服そうなゆかりだったが、それでも俺の言葉にそれ以上反論はしてこなかった。
あのスライムもどきには、この現象の中でも動ける人間を襲うような本能がある……という可能性も否定は出来ないが。
「とにかく、少なくても今のところはここにあのスライムもどきは出てこないんだ。なら、ここを拠点として使えば、特に問題なく行動出来る……と、思う。まぁ、拠点にするにしても、ここでテントとかを使って寝泊まりはする必要がないだろうけど」
時計とかが動かないので、実際にこの現象がどのくらいの時間続いているのかは分からない。
だがそれでも、昨日体感で感じた限りでは数時間………3時間以上、5時間未満ってところの筈だ。
時計の類も動かないから、明確には分からないが。
ともあれ、そんな時間であればここでテントを使って一晩睡眠を取るなんて事はする必要がない。
だとすれば、結局のところこのエントランスで行うのは装備の最終チェックをしたり、作戦の最終確認をしたり……といったことくらいだろう。
いっそソファ辺りを持ってくれば休める場所としても使えるかもしれないが、この塔はこの現象にならないと姿を現さないんだよな。
だとすれば、もしここにソファを置いたままあの現象が終わればどうなるのやら。
最終手段としては、俺の空間倉庫に収納するという手段がない訳でもないんだが。
まぁ、今のところはそこまでする必要はないだろう。
「うーん、まぁ、この現象の時間の中で使う事があるかどうかは……微妙でしょうね」
ゆかりも俺の意見には賛成だったのか、そう呟く。
それから2人で周囲の様子を探してはみたのだが、生憎と特に何かおかしない事がある訳ではない。
スライムもどきの姿もどこにもないのを考えると、やはりここには特になにもないと判断せざるを得ない。
それとも、この塔を攻略していけば、その内ここに何か新しい施設なり、どこかに続く何かが……
「あ」
改めて周囲を見回してみると、このエントランスの隅の方に何かがあるのに気が付く。
このエントランスで、唯一何か意味がありそうな代物。
「ゆかり、あれ」
「え? ……あ。へぇ、あんな場所に何かあるわね」
2人で話しつつ、そこに
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