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転生とらぶる
ペルソナ3
1767話
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。まさか、街中で弓を持っている状態になりたいのか? 間違いなく警察を呼ばれるぞ」

 実際には、それこそいざとなったら弓や矢筒は空間倉庫に収納してしまえばいいんだが……その辺りは、言わぬが花といったところか。
 そうして、俺の言葉に反論を封じられたゆかりは、俺と共に影に沈んでいき……やがて気が付けば、俺とゆかりの姿は月光館学園の前にあった。
 まぁ、視線の先にあるのは学校の校舎ではなく、あの妙な塔なのだが。

「はぁ、はぁ、はぁ」

 改めて間近で塔を見上げていた俺は、隣で息を荒くしているゆかりに視線を向ける。

「どうした? これからこの塔の中に入るんだから、今からそこまで息を切らせてちゃ、いざって時にはどうにもならないぞ?」
「あ、あのねぇ!? 言う!? そういう事を言う!? いきなりあんな妙な体験させておいて!」

 がーっといった感じのゆかり。
 ……何だかこういうところを見ると、凛を思い出すな。
 レモン達との関係がどうなるかと思ったが、結局凛とレモンはあっという間に仲良くなった。
 文字通りの意味で裸の付き合いってのは大事なんだよな。
 しみじみとそう思った出来事だった。
 けど、その凛やレモン達を放っておいて、俺はこの世界に転移させられてきた。
 おまけに、W世界に続いてゲートがまた使えないときているのを考えると、またレモン達から迎えに来て貰う必要がある訳だ。
 ……まぁ、W世界で一度やった事だし、次は以前程に時間が掛からないと思う。
 思うんだが……ここでも問題になってくるのは、やはり時差だよな。
 W世界の時は半年強と1ヶ月半くらいの時差だったのを考えると、こっちではどうなる事やら。

「ちょっと、アクセル? どうかしたの?」
「いや、何でもない。それより準備はいいのか? なら行くぞ」
「あのねぇ……私の言葉は全部聞き流してそれって……まぁ、いいけど」

 溜息を吐いたゆかりを引き連れ、俺は塔の中に入っていく。
 そうして真っ先に目に入ってきたのは、エントランスとでも呼ぶべき場所だった。
 かなりの広さがあるが、そこは無人だ。
 いやまぁ、俺が知ってる限りだとこの現象の中で動けるのは俺とゆかりだけだ。
 だとすれば、このエントランスに他の誰かがいる可能性というのは当然なのかもしれないが。

「けど、他に誰もいないってのは……正直どう思う?」
「誰もって、あのスライムもどきとかか?」

 ゆかりの問いに、そう言葉を返す。

「そう。てっきり、昨日のスライムもどきとかがいるんだとばかり思ってたけど……」
「なるほど」

 実際問題、もしこの塔があのスライムもどきの巣となっているのであれば、あのスライムもどきが街中に出る時にはここを通ってきたという事になる。
 
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