蒼雷の恋慕 02
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「いや〜遅くなっちゃったね」
そう言ったのは隣を歩いているレヴィだ。今日は一緒に研究を行っていたのだが、切りの良いところまでやろうとしているうちにすっかり夜も深くなってしまった。
まあ明日は顔を出すところはあっても仕事があるわけじゃないし、別に構わないんだがな。それに当分は寝れないだろうし。
何故なら今日レヴィは俺の家に泊まるつもりだからだ。
ここ最近は俺も車で通勤しているのでレヴィを家まで送ることは出来る。だがレヴィがお腹が空いた。だから久しぶりに俺のご飯を食べたい、と言ってきたのだ。
レヴィも明日は休みらしく、また俺の家には義母さんやシュテルが泊まることがある。それがなくてもファラやセイがアウトフレーム状態で外出する際には女性ものの下着や衣服が必要になるので、異性の着替えはあるのだ。
「そういやファラ達って今日はいないんだっけ?」
「ああ。あいつらも今じゃ俺達と変わらないからな。シュテル達と話すことがあるから今日は泊まりだそうだ」
「じゃあボクと一緒だね」
男の家に女が泊まるのと女の家にデバイスが泊まるのとでは話が大分違うように思えるのだが。
まあレヴィが泊まったところで何か間違いが起こる可能性はないので問題はないのだが。はしゃいで物を壊される可能性はあるかもしれないが……それでも精神的にはシュテルが泊まるよりマシか。あいつは事あるごとにちょっかいを出してくるし。
「ところで……ご飯は何を作ってくれるの?」
「何って……冷蔵庫にあるもので適当に作る」
「え〜」
「お前を泊めることになるなって思ってなかったんだから仕方ないだろ」
大体お前は明日はやてに家に呼ばれてるんだろ。鍋とかするから食べに来ていいってことで。美味い飯は明日食えるんだから我慢しろ。
「そもそも、作ってもらう立場の奴が文句を言うな」
「それはそうだけどさ。最近ショウはボクに構ってくれないじゃん。シュテるん達とばかり仕事もするし」
「あいつらとは昔から一緒に仕事してたんだから同じ研究をする日が多いのも当たり前だろ。それにちゃんとお前にも構ってる」
「会った時にこうやって話すだけじゃん。昔みたいに手を繋いだりしてくれないし、仕事のこと以外で電話とかもしてくれないし。正直に言ってボクへの構い方が足りないよ」
昔よりは落ち着いて迷子になる可能性はなくなったし、昔やっていたことを今やると周囲に誤解されるのだが。職場の連中はレヴィの人間性や俺との関係が分かっているので問題はないだろうが、他の場所ではそうもいかないだろうし。
大体……レヴィの言ったような構い方は友人を通り越して恋人の域だと思うのは俺だけだろうか。本人にはそのへんの自覚は皆無なんだろうけど。それだけに質が悪いとも言えるが。
そうこうしているうちに
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