蒼雷の恋慕 02
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それ以上に……動かれると胸の谷間がチラチラ見えるのが問題なのだが。見えない位置で乾かそうとしているのに動かれたら意味を為さない。
ちなみに鏡を見たら意味がないのでは、なんて疑問はあえてスルーさせてもらう。俺はレヴィの谷間を見るために髪を乾かしているわけじゃないんだから。
「えへへ……」
「どうした?」
「ううん別に。ただこうしてると何だか新婚さんみたいだなって」
「新婚って……お前結婚の意味分かってるのか?」
異性に対する意識が人並み以下なのに正しく理解できている気がしない。
「む……それくらいボクだって分かるよ。パパとママが結婚してなかったらボクは生まれてないんだし」
それはそうだが……俺が言っているのは結婚の定義だとか方法じゃなくて、そこに至るまでの感情の流れを含めた過程なんだがな。
「ちなみにママもパパから今のボクみたいに髪の毛を乾かしたりしてもらってたらしいんだ」
「ふーん……仲良いんだな」
「そりゃあボクのママ達だし」
俺はレヴィと出会ってそれなりの時間が経っているわけだが、彼女のご両親ときちんと話した覚えはない。面識がないわけではないが、義母さんと一緒に挨拶行ったことがあるくらいだ。
なのでレヴィのご両親について知っていることはレヴィに聞いたことくらい。だがそれでも、レヴィの性格が性格なので今の言葉で納得できる自分が居る。
「ねぇショウ」
「今度は何だ?」
「ボク達も結婚しちゃおっか?」
あまりにもさらりととんでもないことを言われたため、思わず動きどころか思考まで止まってしまった。
……このバカは今なんて言った?
俺の聞き間違いでなければ結婚しようと言われた気がするんだが。幼稚園や小学生が結婚しようというなら可愛げもあるし理解はできるが、すでに成人した奴が軽く言っていい言葉じゃないだろ。
「アホ、するわけないだろ」
「何で? 別にいいじゃん。ボクはショウのこと大好きだし……ショウはボクのこと嫌いなの?」
捨てられた子犬のような目をされるとこちらとしても困る。
とはいえ、レヴィのことを考えればここで適当に終わらせるのもよくはないだろう。もうレヴィも大人なのだ。昔のようにレヴィなら仕方がないで終わらせてしまうのはレヴィのためにもならない。
「嫌いだからしないって言ってるんじゃない」
「なら何で?」
「それはな……お前が好きって意味を理解出来てないからだ」
「ボクだって好きの意味くらい分かってるよ」
「分かってない。お前の中にある好きは種類分けできるのか? 結婚っていうのは特別な好きって気持ちを抱いた相手とするものなんだ。お前のパパとママは互いを好きだから結婚したんじゃない。互いに特別に好きだったから結婚したんだ」
「好きじゃなくて
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