蒼雷の恋慕 02
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かに履いてはきたが……どうしてそこで短パンを選ぶんだお前は。
レヴィらしいと言えばレヴィらしくはある。だがそれでも言いたい。うちには長ズボンの寝間着があるし、まだそんなに暑い季節でもないんだから長ズボンを履けと。もう子供じゃないんだから自分の色気を自覚してほしいものだ。
「まあいい……って、髪の毛くらいきちんと乾かせよ」
「いや〜ショウのご飯が早く食べたくて」
「ご飯は逃げないだろ。さっさと乾かしてこい。風邪でも引いて明日はやての家に行けなくなるのは嫌だろ?」
「うん、嫌だ。……ねぇねぇ」
何か思いついたみたいな顔をしているな。
流れからして何となく察しは付いているが、ここで先回りして答えるともっと自分に構えと言っていたので拗ねる可能性もある。はやてやシュテルとは違い、レヴィが拗ねた場合は本心から拗ねているので最も厄介だ。面倒臭いとか思わずに聞くのがベストだろう。
「何だ?」
「出来ればショウに髪の毛乾かしてほしいな。昔泊まった時にしてくれたみたいに」
確かにレヴィの髪を乾かしてやったことはある。
昔のレヴィは今よりも落ち着きがなかっただけに、泊まりに来たときは一段とテンションも上がってはしゃぐことが多かった。髪が長いこともあった乾くのにも時間が掛かり、半乾きのまま引っ付かれるのも場合によっては不愉快に思う。なので半ば強引に乾かしていただけなのだが……
「はぁ……分かった分かった。乾かすの手伝ってやるよ」
「やった!」
「こら、もう夜なんだから大きな声出すな。というか、さっさと鏡台のところに行け」
俺はお前ほど元気は残っていないんだ。個人的にさっさと食事を終えて、洗い物を済ませて、シャワーを浴びて寝たい。
そう思う俺とは裏腹にレヴィは嬉しいのかニコニコしている。見た目は大人になったのにこの手の笑顔は昔と何ひとつ変わらない。
誰もが時間と共に変わっていく中、自分を変えずに今も居られるレヴィはある意味幸せなのかもしれない。変わらなくても周囲に認められているということなのだから。
「何ていうか、こう女の子らしい部屋を見るとファラ達がデバイスってこと忘れそうになっちゃうよね」
「俺達の周りにはデバイスとして扱う連中も少ないからな。そんなことよりさっさと座れ」
「ほ〜い」
鏡台の前にレヴィが座ると俺はドライヤーを手に取って乾かし始める。
「いや〜楽ちん楽ちん」
「あのな……もう子供じゃないんだからこれくらい自分でしろよ」
「普段はやってるよ。今日はショウと一緒だからしてもらってるだけ」
「まったく……こら、身体を揺らすな。乾かしにくいだろ」
「だって嬉しいんだも〜ん」
だったら言葉で表現しろよ。あまりドライヤーを使い過ぎると髪の毛が痛むんだから。
まあ
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