蒼雷の恋慕 02
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自宅に到着した俺達は、鍵を開けて中に入る。俺が一人暮らしのために借りている場所ではあるが、ファラ達にも部屋があるので一人暮らしの家としては大きい部類に入るだろう。
「レヴィ、お前は先にシャワーでも浴びてこい」
「ボクからでいいの?」
「お前の食べる量を考えたら料理してから浴びた方が効率が良いんだよ」
2人前じゃ全然足りないし。最低でも4人前は必要だよな……冷蔵庫にそれだけの材料が残っていたかは怪しいところではあるが、最善を尽くすしかないだろう。
「それもそっか。でもショウ、ボク着替え持ってきてない」
「客用の部屋にあるから適当に使え。場所は何度か来てるから分かるだろ?」
「うん。あっ、だけど上着はショウのが着たいな」
深い意味はないのだろうが、さらりととんでもないことを言い出す友人である。
「理由は何となく分かるが……とりあえず言ってみろ」
「ショウの服ってボクにとっては大きいから楽なんだよね。寝るときは楽な格好で寝たいし」
「だと思った。じゃあ俺の部屋から……いやいい。俺の服はあとで持って行ってやるからとりあえず着替えを取りに行け」
「りょーかい!」
レヴィは元気に敬礼をすると颯爽と走って行った。
流れ的にレヴィの裸を覗くつもりか、と勘繰る奴が居るかもしれないがそういうわけではない。単純にレヴィに俺の部屋に入られると散らかってしまう気がするからだ。
それに……レヴィの場合、人に裸を見られても平然としていそうな気がする。それどころか一緒に入る? なんて爆弾発言をしかねない奴だ。
故に今回の提案は俺の方がリスクを負っている。普段はあまりレヴィに対して異性意識はないが、それでも最低限の意識はあるのだから。抱き着かれたりすれば思うところはあるし、裸なんて見ようなら反応してしまう部分があってもおかしくない。
「……俺も上着を取りに行くか」
レヴィの裸を見ないためにもレヴィが服を脱ぐ前か、シャワーを浴び始めた直後に用意するしかない。
ラッキースケベと呼ばれる事象を喜んだり羨ましかったりする者も居るかもしれないが、あいにく俺はその手のものは望まない。
仮に今回それが起きてしまったとして問題なのはレヴィではないのだ。レヴィは異性意識が欠けているため、おそらく気にはしないだろう。
だがしかし、その話がシュテルやディアーチェといった人間に漏れると実に面倒なことになる。事あるごとに弄ってきたり、真面目に説教されるからだ。本当に見てしまった場合、こちらに非があるのでどちらも受け入れはするが。
上着を持って浴室に向かっていると、鼻歌混じりに歩いているレヴィが見えた。先ほどまで働いていたのによくもまああれだけ高いテンションを維持できるものだ。
「レヴィ」
「うん?」
「ほら、上
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