528部分:第四十二話 于禁、事実を知るのことその四
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第四十二話 于禁、事実を知るのことその四
「それが鈴々の仇名なのだ」
「そう聞いているが」
「不思議な仇名なのだ」
今度は首を傾げさせる張飛だった。
「どうしてそうなったのだ」
「馬ではなく豚に乗っているからではないのか?」
関羽がこうその張飛に話した。
「だからだろう」
「それでなのだ」
「前から思っていたがどうして豚なのだ」
「何となく乗りやすいのだ」
だからだと話す張飛だった。
「それで乗っているのだ」
「それでか」
「馬にも乗れるのだ」
それはできるというのだ。
「それでもなのだ。豚が一番いいのだ」
「それでだ」40
「それで?」
「それでというと」
「貴女は」
少女は今度は関羽を見て述べた。
「関羽雲長殿なのですね」
「わかるのか」
「山賊退治の黒髪の美貌の英傑」
「むっ!?」
少女の今の言葉にだ。関羽はその表情を晴れやかにさせた。
そのうえでだ。こう彼女に言うのだった。
「貴殿がはじめてだ」
「はじめてとは?」
「はっきりとそう言ってくれたのは」
「そうなのですか」
「そうだ、私は美貌なのだな」
そのことにやけに嬉しそうな顔を見せるのである。
「いいことだ。それを認めてくれるか」
「違うのですか?それは」
「いや、その通りだ」
こう主張する関羽だった。
「そうなのだな。私には美貌があるのだな」
「はい、確かに」
「いいことだ。貴殿はいい者だな」
満面の笑みで言う関羽だった。
「まことにな」
「とりあえずなのですが」
また言ってきた少女だった。
「あの」
「あの?」
「まだ何か」
「私が名乗っていません」
彼女が言うのはこのことだった。
「私の名前ですが」
「あっ、そういえば」
「そうでした」
孔明と鳳統もここではたと気付いた。
「貴女のお名前は」
「何というのですか?」
「楽進といいます」
こう名乗るのだった。
「宜しく御願いします」
「わかりました、楽進さん」
劉備がにこりと笑ってその楽進に答える。
「こちらこそ宜しく御願いします」
「はい、それでは」
「それでなのだけれど」
黄忠が楽進に言ってきた。
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