ペルソナ3
1766話
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すると、ゆかりが俺に携帯を渡してくる。
「ああ、悪いな。取りあえずこれで連絡が取れなくなるって事はないな」
「そうね。後は、アクセルの住む場所だけど……どうする気?」
「カプセルホテルとかなら……」
「ないわよ。いえ、あるのかもしれないけど、少なくても私は知らないわ」
「……そうか」
カプセルホテルのような簡易的な場所であれば、それこそ泊まるのに身分証とかが必要ないのかもしれないと思ったが、残念ながらそうはいかないらしい。
どうするか……と迷っていると、ふと思いつく。
早速だが、荒垣に頼ってみるのはどうだろうか、と。
「取りあえず心当たりは、あるにはあるけど……」
「本当?」
「ああ」
確認するようなゆかりの言葉に頷き、ロースカツバーガーを口に運ぶ。
ほんのりと甘く柔らかいパンと、サクっとした歯応えの揚げ立てロースカツ、新鮮なレタスやトマト……といった具合に、高級ファーストフードと言われているだけの味ではあった。
勿論、本物……それこそ色々な世界で呼ばれた国家元首が参加するようなパーティで出された料理や、本物の一流の店といいった店とかと比べると、数段落ちる。
だが、値段を考えれば、十分に合格範囲内だろう。
実際、こうして店の中を見回しても、客の数はそれなりに多い。
……まぁ、値段が値段だけに、高校生の姿は殆どないが。
「じゃあ、今夜から行動を始めるって事でいい?」
「今夜、ねぇ。……けど、今夜も昨日と同じような現象に巻き込まれるとは限らないだろ?」
ゆかりにそう言葉を返しつつ、恐らく今夜もあの妙な現象に巻き込まれるんじゃないのかというのは、予想していた。
この世界の原作の事を考えれば……いや、まだ原作が始まっていなければ、必ずしも巻き込まれるとは限らないのか?
ともあれ、もし今日は巻き込まれなくても、結局将来的に巻き込まれる事になるのは変わらないのだ。
だとすれば、今のうちからゆかりにはあの現象に慣れておいてもらう必要があるのは間違いない。
……当初はゆかりを連れてあの現象の中を移動するなんて事は全く考えていなかったんだけどな。
ただまぁ、その辺りはもういい。
ゆかりが自分の意思で今回の件に関わってくる以上、もしここで俺が強引に突き放しても、恐らく自分だけで勝手に動き出すだろう。
それで死なれでもしたら、それこそ後味が悪い。
いや、後味が悪いどころの話じゃないか。
そもそも、ゆかりはこの世界で俺が唯一接触しているキーパーソンの1人だ。
ここで下手にあの現象に関わらせ、それでいて俺がいない状況でスライムもどき……もしくはそれよりも更に強力な敵と遭遇して死んでしまったりすれば、最悪この世界が詰む可能性というのは十分にある。
そこまでいか
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