第19話『剣の時代が終わる時〜ナヴァール騎士団全滅!?』【Bパート 】
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にしても、まだそのような戯言を申すか。
黒騎士よ。剣の時代の亡霊よ。眩しき貴様の妄想など飽いた。そろそろ眠ってもらおうか。
「下らん幻想を抱いて死ね――ロランをティル=ナファ=の元へ案内せよ」
「「―――御意」」
スティード、グレアスト両名は、魔王の拝命を謹んで受け取った。
テナルディエの片腕であるスティードは、その堅実で隙の無い銃の運用で、最凶攻撃力を発揮する『密集態勢』を展開し――
ガヌロンの片腕であるグレアストは、その鬼謀にて銃の最適射程と殺傷力を演算し、最恐殲滅力を発揮する『連段運用』を展開する――
『銃』は――『片腕』では持てない。『両腕』があってこそ、初めて運用可能なのだ。
だから連れて参ったのだ。二大公爵――それぞれの誇る『片腕』を『両腕』に揃えて。
―――――続く魔王の号令に、再び『蜂の大軍』が訪れる!
赤白い『蜂の地獄』がロランを見舞う!
『弾』の速度は『矢』の比ではない!ほぼロランの視界と空間に糸状の熱針が、騎士の誇り高き肉体をそぎ落としていく。
「時の歩みを止めし『騎士』どもを駆逐せよ。摂理に対し変われぬ『愚者』どもを、根絶やしにせよ」
鬼謀の主たるグレアストは、さらなる苛烈な命令を下す。「奴らを無駄死にさせよ」と――
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
もはや『│正義の槍≪ナヴァール≫』は敵を貫くどころではなかった。
戦が始まってから半日もたっていないのに……大量の血を吸った大地は赤黒く染まっている。
それは、『魔物』が夢見た理想世界とは異なる世界。
一人、心を鉄の意志で固めた騎士が『慣性』に任せて、突き進んでいた。
『逆星』の砲火を浴びた配下の騎士が、潜血を噴き出して後方へ流れていくのが見える。すれ違い様に騎士が落馬し、戦場の凄惨さを物語る束の間の『流星』となる。
それを見たロラン、オリビエは目を伏せた。
――俺たち騎士は……
――私たち騎士は……
――本当なら……剣をとることはなかった存在。
いかなる策を用いようと、幾千、幾万の生命が銃火の蔓延する虚空へ散っていく。
彼らは問いかける。――時代は、天は我らを見放したのかと。
『三日月』――その名が示すように、我らが星が、欠けた月のように砕かれていく。
『槍』――既に次世代の『火槍』が我らの正義の槍をへし折っていく。
一つでも多くの生命を守るために、一つでも多くの生命を散らせ、散らされていく矛盾。終わりのない『輪廻(アンコ−ル)』にまどろみ、目を覚ますことのない闇に自ら取り込まれていく。
――何のために守る?この果てにある未来は?
不敗の剣――デュランダル。
民を守る名を持つ
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